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私は以前から「走り始めてから10年は記録を伸ばせる」と言ってきました。しかし、それは「走歴10年以上の人はもう伸びない」という意味ではありません。走歴10年以上の人でも伸びる可能性はあります。ただし、60歳で始めた人が70歳まで伸びるかというと難しいのではないかと思います。
何歳で走り始めても、トレーニングを続けていれば記録は少なからず伸びます。練習量とマラソンのタイムは相関します。しかし、やがて加齢によって体力が落ち、パフォーマンスが低下します。トレーニングをしてきた人の場合、最大心拍数はさほど低下しませんが、大臀筋やハムストリングを中心とした下肢の筋肉量が落ち、それに伴って最大酸素摂取量が下がります。筋肉量の低下は40代から顕著になります。
トレーニングによる体力の向上と加齢による低下が拮抗したところで限界がきます。それが壁です。壁が出現するタイミングは一律ではありません。走り始めた年齢、こなしてきた練習の内容によると思います。
アンケートの結果を見ると、走歴10年で記録を伸ばした人はかなりの月間走行距離をこなしています。サブスリー、サブ3.5を達成した人は30km走、インターバル、坂道走など質の高い練習をしています。想像するに、これは最近のトレーニング内容であって、5年、10年前からこの量と質を保ってきたわけではないのではないでしょうか。始めのうちは真剣に記録を狙っていたわけではなく、ファンランだった人もいるはずです。
練習量への適応、練習の質への対応には時間がかかります。いきなり月間300kmは走れません。スピード練習もできないはずです。中高年で走り始めた人ほど適応に時間を要します。普通は週1、2回のジョギングから始めて、徐々に練習のボリュームを増やし、質も高めていくものです。それと同時にレースの進め方もうまくなって記録が伸びていきます。
40代、50代の中高年ランナーは記録更新の可能性を秘めています。特に、走り始めて10年になるけれどジョギングしかしてこなかった、という人には伸びる余地があります。「練習が足りない」「質の高い練習をしていない」と自覚している人は、練習の量と質を高めることでチャンスが広がります。トレーニングもレース運びも洗練されていき、走り始めて15年で自己ベストが出るケースもあると思います。
(構成/吉田誠一)
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