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福岡国際マラソンで自己ベストを更新した吉岡龍一さん(26歳・Honda栃木)。
陸上長距離を中学から始め、九州大大学院修了後も市民ランナーとして大会に出場しています。3度目のフルマラソンとなる福岡国際マラソン2024で、自己ベストを6分近く短縮する2時間10分50秒のタイムをマークし、8位入賞を果たしました。吉岡さんに、ベストタイム更新の秘訣や日々のトレーニングでの意図を伺いました。
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ベストタイムを更新し続ける要因を教えてください
必要な練習を、必要なタイミングで、自分のペースで積み重ねました。トレーニングに特別なこだわりはありません。不要な情報を絶ち、自分のコンディションに色眼鏡をかけずに向き合えば、おのずと今取り組むべき練習がみえてきます。
余裕を持つこともトレーニングでは大切にしています。長距離走はキツイ状態を維持するスポーツではなく、最後まで余裕を持ちつづけた者が勝つスポーツだと考えています。
トレーニングは余裕を持って走れる距離を徐々に伸ばしていくための時間です。もがき苦しむ練習をいくら重ねても、もがき苦しむ能力は向上せず、長時間崩れた走りを続けることになるため、効果以上にダメージが大きいと捉えています。
トレーニング中は、自分の時計と競うのではなく、自分の身体に適切な刺激を入れることに集中しています。
―福岡国際マラソンに向けて取り組んだトレーニング内容を教えていただけますか
月間走行距離は450~600km程度になりますが、これは日々の練習を積み重ねた結果にすぎず、特に具体的な目標は設定していません。細かいトレーニング内容は、私のSNSアカウントでも公開していますが、日々のジョギングと150分間(40km程度)走る練習、心肺への刺激を入れるトラックレースへの出場等です。
マラソンに限らず、長距離走では「○○分間走ること」が重要だと考えています。私の場合、自己ベストタイムから逆算すると、150分前後のトレーニングが鍵となります。このトレーニングでは、余裕を持ったペース設定を心がけるため、結果的に40km程度の距離になることが多いです。よく「40km走」と呼ばれるメニューになりますが、その本質は「150分間走」にあります。あくまで時間を基準にしたトレーニングであり、名前の響きにとらわれる必要はないと思っています。
「月間走行距離」や「○○○○mを○分○○秒/kmで走る」といった情報はわかりやすく、他の人のトレーニングを真似したくなることもあります。しかし、重要なのは、その距離やペースで走る「目的」を理解することだと考えています。なぜそのタイミングで、その練習を入れるのかを考えれば、自分に合った形でトレーニングをアレンジできるはずです。
今の自分が置かれている環境下で、自分がランニングを楽しめるような練習・試合を組み合わせて大会当日を迎えたことも今回の結果に繋がったと考えています。
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1月の大阪国際女子マラソンで日本人トップの2位に入り、世界陸上の日本代表に選出された小林香菜選手は1分間のピッチ数が220以上。取材を行うと、「ピッチを上げる」ことは市民ランナーがタイムを上げるのに適した方法でした。特に中高年ランナーの皆さんはピッチ増によるタイム短縮の可能性大! 速くなりたいランナー必読です。
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タイムを縮める上で、減量が効果的な手段であることに疑いはありません。ダイエットというと「美味しいものを食べるのを我慢しなければいけない」というイメージを持ちがちですが、「日々の習慣を少し変える、工夫するだけで減量できるテクニックはたくさんある」と、研究者で自己ベスト2時間46分の記録を持つ髙山史徳さん(34歳)は言います。髙山さん監修のもと「速くなるダイエット×15」を伝授します!
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