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月刊ランナーズで好評連載中の「トップランナーのビジネス×ランニング」。企業の経営者や組織のトップに立つ人にランニング実践者は多く、そんな “トップランナー” にとって走ることはビジネスにどんな影響を与えているのかをインタビューする連載です。9月号に登場するのはマネックスグループ株式会社代表執行役社長CEO・マネックス証券株式会社取締役社長執行役員の清明祐子さん。33歳で社長就任後、ランニングが趣味になった理由やコロナ禍で始めた「沿線ラン」などについて語っていただきました。今回はその一部をご紹介します。
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――2019年にマネックス証券社長、昨年からマネックスグループ社長CEOに就任され、多忙な日々を過ごされていると思いますが、その中でランニングを趣味とされ、大会にも数多く参加されているそうですね。
「これからの季節は暑いので専ら山を登るのですが、秋から春のランニングシーズンは色々な大会に出ています。大会エントリーって早い時期から始まるので必死ですよ。ランネットをしょっちゅう覗いて、大会レポなどを参考に、走りたい大会を探しています。私のカレンダーには、すでに来年3月の大会が入力されています。静岡マラソンやさが桜マラソンなど、出てみたい大会の日程やエントリー期日を調べて記入するんです。そうしておかないと、うっかり別の予定を入れてしまうので」
――ランネットのエントリー通知機能を高めるようにしないといけませんね(笑)。
「1度、エントリーするのを忘れていたことがあったんです。山口県の「維新の里 萩城下町マラソン(ハーフ)」です。前日に、あれ? 何も郵送物が来ていないなと。確認してみたら、エントリーするのを忘れていた……。でも、飛行機も宿も押さえてしまっていたので、悔しいから現地に行って、大会と同じようなコースをひとりで走ってきました。地方に行くのがとても好きなんです。前日にお酒を飲むので、いいタイムは望めないのですが、私としては速く走ることが目的ではないのでいいんです。例えば仙台国際ハーフマラソンは毎年出ていたのですが、地元のお店の人が顔を覚えてくれていて。そういう交流も楽しみにしています」
――ランニングとの出会いについてですが、子会社の社長になられた頃、視野を広げようとして始められたと聞きました。
「走り始めたのは2010年頃で、ランネットで確認したら、1番最初に出た大会はマネックス・ハンブレクト(現マネックス証券)の社長になる直前、11年1月の谷川真理ハーフマラソン(現:東京ニューイヤーハーフマラソン)で、同年に社長になってから、コンスタントに大会に出るようになり、趣味になりました。社長になった当時は33歳。金融業界で女性で33歳の社長はあまりにレアでした。法人相手に会社の買収や売却のお手伝いをするのが仕事。業界には多くの証券会社があり、銀行もある。なぜ私のような若造に任せるのかという状態です。さらに、社長業って何なのかも分からない。色々考えるのですが、考えても答えは降ってこない。悪戦苦闘して、どれだけ自分が強い思いを持っても、人って簡単に動かせない。そんなことばかり考えているうち、これは精神衛生上、絶対に良くないなと思うようになったんです。少し仕事から離れ、全然違う感性を持っている人と話し、頭の中を仕事から解放しないといけない、と」
――自分自身とものすごく向き合われた時期だったのですね。
「それまでは自分が頑張ればスキルは身につけられ、自分が頑張れば稼げると思っていたのですが、それだけでは済まないのが社長業。この人の立場だったら何を思うのか、物事を違う方向から見る必要があるんですね。イントラパーソナル・ダイバーシティという言葉がありますが、自分の中に多用な視点を持たないと人のことも分からない。そこで走り始め、山登りも始め、ワインスクールにも通い出しました。そのスクールで知り合った友人が、一緒にゴルフをしよう、ランニングの大会に出ようと、つながっていったんです」
――ランニングは身体の健康にも、心の健康にも活きていると思いますが、社長自ら走っていることを伝えることは、社員に向けて説得力になっているのではないでしょうか。
「それは、ものすごい説得力があると思いますよ(笑)。大会を走るたびに、SNSにアップしていますし。4月の燕さくらマラソン(新潟)では途中リタイアしたのですが、そんな失敗もありのままに報告しています。私はCEOでは比較的若い方です。特に金融機関の中では。だから、他のベテランの方々と比べると経験が浅い。それを何で埋めるかといえば、量だと思っています。経験が足りない分、体力や行動量で埋めようと。だから、自分の心と身体の健康を維持しないと仕事に結びつきませんし、健康なら人の3倍、4倍と働ける、生き生きと量をこなせると思うんです。経営者の仕事は、知識や経験と同じくらいかそれ以上に体力も重要だと思うんです。だから健康って本当に全てのベースだなって思います」
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インタビュー全文は本日発売のランナーズ9月号に掲載しています。
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