「30~40秒の坂ダッシュ」を4分の休憩で繰り返すのが効果的(写真/小野口健太)
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市民ランナーが対象の中距離トラックレース「MDC(ミドルディスタンスサーキット)チャレンジャーズ」(月刊ランナーズ主催または共催)が6月22日から各地で開催されます。6月22日の東京・舎人大会では1000mと3000mが行われ、メインは1000m。秋冬にフルマラソンを走るランナーであっても「全力で1000mを走る」ことは非常に効果的です。
また、MDCチャレンジャーズに向けてスピード走を行うこともフルマラソンを速く走ることにつながります。中・長距離の体力・トレーニングを研究している環太平洋大学の吉岡利貢先生に、市民ランナーでもできる科学的根拠に基づいたスピード走のやり方を解説していただきました。
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フルマラソンをはじめとして中長距離を速く走れるようになるためには最大酸素摂取量と筋力が重要です。それらを向上させることでレースペースでの走行時に余裕が生まれ、さらに速いタイムが出せる可能性が高まります。しかし、筋力や最大酸素摂取量の強化はジョギングだけでは不十分で、強度の高いトレーニングを取り入れていく必要があります。
そこで有効なのが上り坂を利用した坂ダッシュです。一般的にスピードを上げるとケガのリスクが高まりますが、上りであれば平地ほどスピードが出せないので、リスクを抑えながら負荷をかけることができます。傾斜を使うことで筋力アップも望めますし、上り坂だとひざ下を振り出しにくくなるため、フォーム改善効果も期待できます。
本学では筋力と最大酸素摂取量の両方を高めるトレーニングとして、「30秒上り坂ダッシュ×4~7本、リカバリー4分」というメニューを導入しています。これは「スプリントインターバル」と呼ばれるもので、スピードだけでなく持久的能力も向上することが研究論文で明らかになっています。中距離から長距離まで幅広い種目に対して効果があり、このメニューを取り入れている本学駅伝チームは昨年までに全日本大学駅伝に4回出場しています。2021年には男子800mで源裕貴選手が1分45秒75の日本タイ記録も打ち立てました。
30秒の坂ダッシュでは解糖系と呼ばれるエネルギー供給の割合が高くなり、これが最大酸素摂取量の向上に寄与します。それを4分の休憩で繰り返すことで2本目以降は解糖系の割合が11~42%多くなるため、より効果が高まるのです。ダッシュの時間や休憩時間が長すぎても短すぎても効果が下がるため、「坂ダッシュ30~40秒を休憩4分」で行うのがベストだと考えています。
注意点としては、こういったスプリント系のトレーニングをしすぎるとランニングエコノミーが下がる可能性が指摘されています。具体的には地面を強く踏むクセがつきやすく、それが長い距離になるとロスになるのだと考えられます。このため、フルマラソン直前に行うのではなく、本命のレースまでは日数がある春先から夏までの間に取り入れるのが良いでしょう。
(環太平洋大学 吉岡利貢先生)
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