海外では5分刻みにペースメーカーを配置する大会もある(写真/ローママラソン大会事務局)
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皆さんはマラソン大会でペースメーカーの後ろについて走った経験はあるでしょうか。 年々、ペースメーカーを充実させ、魅力の一つとする大会が増えています。発売中のランナーズ6月号特集『ランニング界を支える大会〝ペースメーカー〟に注目!!』では、専門家による「ランナーがペースメーカーの後ろについて走るメリット」や「ペースメーカーのやりがい」など、あらゆる面からペースメーカーについて考察しています。その中から、『追尾走』を研究する東京大学大学院の古川大晃さんが解説する「ペースメーカーについて走る科学的効果」を一部抜粋してご紹介します。
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ペースメーカーについて走ることのメリットは大きく分けて3つあると考えています。1つ目が「空気抵抗の低減効果」で、これは「追尾走」の観点で最も影響が大きいと考えます。ざっくりいうと、人の1mくらい後ろを走ると空気抵抗を50%程度カットできると見積もることができ、無風、かつマラソンで2時間36分くらいという仮定で、約3~4%のランニングエコノミー改善につながるとみられます。走るスピードが落ちるほど空気抵抗も減るので、その分効果も弱くなり、マラソンが4時間の人で2.3%程度のランニングエコノミーの改善があると推測します※。
空気抵抗の観点だけでいうと、集団の中で走るときの位置は人の真後ろがいいですが、ぶつかる危険性を予測してしまうことによる気疲れが起きたり、実際に前の人が急にペースを落としたり転んだ時にぶつかる可能性が高くなるので、位置は前の人の肩の後ろあたりが良いと考えます。真後ろから側方に20~30cmずれたところが自分の中心にくる位置であれば、30~40%の空気抵抗低減の恩恵を受けつつ、ぶつかるリスクも避けられます。空気抵抗は前に人が多いほど減らすことができますが、集団の伸び縮みによるペース変動を考えると集団の3~4列目が一番良いと考えます。
※ランニングエコノミー…いかに少ない酸素摂取量(Vo2)で走ることができるのかを表す指標。ランニング時の酸素摂取量は、多くなればなるほど体内のエネルギーが消費される。ランニングエコノミーが改善すると、同じ速度で同じ距離を走った場合、酸素摂取量が少なくなり楽に走ることができる。フルマラソン4時間の人が2.3%ランニングエコノミーが改善したとして5分30秒くらいのタイム短縮
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古川さんが考えるあと2つの「ペースメーカーについて走る科学的効果」とは?
気になる方はランナーズ6月号をご覧ください。
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