![]() 前半よりも後半のほうが速い「ネガティブスプリット」で日本記録を更新した前田穂南選手(写真/塩川真悟)
|
1月28日に開催された大阪国際女子マラソンでは前田穂南選手が2時間18分59秒の日本新記録を打ち立てました。この時の前田選手は中間点を1時間9分46秒で通過し、後半は1時間9分13秒。後半のほうが速い「ネガティブスプリット」でした。
実は、世界記録は男女ともネガティブスプリットで樹立されています。男子の日本記録も同様で、今回の前田選手によって日本記録も男女ともネガティブスプリットになりました。
では、フルマラソンを走る上ではネガティブスプリットが正解なのでしょうか。ランナーズ2月号の記事を一部編集して転載し、専門家の見解を紹介します。
********
世界記録にネガティブスプリットが多いのは、記録更新を狙えるペースで途中までレースが進み、そのペースでも余裕のあるランナーがさらにスピードを上げた結果だろう。つまり、彼らは目標ペースに対してより力があったゆえに、ネガティブスプリットになったと考えられる。
桜美林大学の山本正彦教授は「世界記録がネガティブスプリットになっているのはあくまで『結果』。どんなレベルのランナーでも最大限力を発揮しようとしたら、イーブンペースで走るのが望ましいことに変わりはないと思います」と話す。
筑波大学の鍋倉賢治教授も「いかにイーブンペースに近づけられるか」がポイントだと考えており、「前半と後半のタイム差が5~6%に収まれば『ある程度力を出し切れた』と評価できるのではないか」と指摘する。
それでは、市民ランナーはどのように走ればペースダウンしないのだろうか。「最も避けなくてはいけないのが、前半を目標のタイムよりも速く走ってしまうこと。つい目標ペースより速く走って『貯金しよう』と考えてしまう人が多いのですが、これは失速の危険が高まります。イーブンペースを守ることを基本に、むしろ世界記録保持者たちのようにネガティブ(後半型)でもいいかな、というぐらいの余裕を持って走るべきです」と鍋倉教授は言い切る。
********
ランナーズ2月号の特集では市民ランナーのペース配分についての統計分析のほか、なぜ前半で貯金をつくるのがいけないのか、科学的な見解からの解説や、メンタル面から考えるペース戦略など、専門家たちの見解を踏まえた上でマラソンをどう走るべきかを考察しています。これからマラソンを走る方はぜひ参考にしてください。
※こちらから記事検索ができます。
ランナーズ8月号 6月20日発売!
ハーフマラソン1歳刻みランキング発表!
あなたは中間タイム(男性1時間57分、女性2時間13分)より速い?
2024年4月~2025年3月に開催されたハーフマラソンの完走記録データを集計した「2024年度ハーフマラソン1歳刻みランキング」を月刊ランナーズ8月号で発表しました。
年齢ごと上位100位の名前とタイム、各大会の完走人数や中間タイムなどを掲載しています。ぜひご覧ください。
レース攻略法&札幌ガイド
「北海道マラソンを楽しみ尽くす!」
月に開催されるフルマラソン「北海道マラソン」。夏のレースに挑戦するランナーに向けた「事前の準備」や「当日の攻略法」「打ち上げにピッタリのお店」など、レースの前後を含めて楽しみ尽くすための情報をまとめました。
今、ハーフマラソンが熱い!
ハーフマラソンランキングとあわせ、もっとハーフマラソンを楽しむための特集として対象125大会を特徴別に分類した「大会ガイド」や「ハーフを極めてフルが速くなるためのトレーニング法」「タイムの価値が分かる!? ハーフマラソン偏差値」も掲載。ハーフマラソンを満喫するための1冊となっています。
本誌購入は年会費7,800円「ランナーズ+メンバーズ」がお勧め!
「ランナーズ+メンバーズ」は毎月最新号が自宅に届く(定期購読)だけでなく、「デジタルで最新号&2011年1月号以降が読み放題」「TATTAサタデーランが年間走り放題」「会員限定動画&コラム閲覧可」のサブスクリプションサービス! 年会費7,800円の超お得なプランです。
※こちらから記事検索ができます。