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サブスリー・3時間30分切りを目指すランナーへ! 藤原新流「レースペース走徹底主義」

2024年1月24日

『レースペース徹底主義』はサブスリーや3時間30分切りを狙う市民ランナーこそ実践してほしい

発売中のランナーズ3月号では、スズキACヘッドコーチで、ランナーズ+inチーム「サブスリーの会」のコーチを務める藤原新さんが、プロランナーだった自身の経験から編み出した「レースペース走の距離を延ばしていくことが目標達成に近づく」というマラソントレーニング論を語っています。
ここではその内容の冒頭を抜粋して紹介します。


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――プロランナーだった現役時代と指導者になってから、マラソンの練習法について考え方の変化はありますか?

「今スズキACのヘッドコーチになって5年目ですけど、基本的な部分はそう大きく変わらないです。僕の練習の特徴というのは、フルマラソン本番に近い負荷を普段からかけていくこと。具体的には、マラソンのレースペースでできるだけ長く走る、というものです。それが大切だというのは変化していませんが、一方で現役の時は一年を通して(レースペースが主体の)同じ練習をしようと思っていたけれど、現実的にそれをやろうと思っても選手はできませんし、壊れてしまいます。実際僕も2013年に大きな故障してしまいましたから。そのため、マラソン後はきちんと疲労を抜き、その後は筋トレで身体をつくるなど、時期によってトレーニングを変化させる期分けをより意識するようになりました」

――現役時代レースペースを重視するというトレーニングに至った経緯を改めて教えてください。

「そもそもトレーニングの流れは2種類あると思うんです。一つは短く速いペース(スピード走)と長くてゆっくりなペース(ロング走)を組み合わせて走るタイプで、もう一つは20~30kmをレースに近いペースで走って負荷をかけるタイプ。ある研究者の方はこれを魚料理に例えて切り身タイプと丸焼きタイプと話していました。日本だと切り身タイプの人が多かった印象で、僕も以前はそうでした。ただ、プロになって2012年のロンドン五輪は絶対に行きたいと思っていた時に切り身タイプだとどうしても練習からレースへのつながりが分かりにくかったですし、五輪の選考会で確実に勝つためにはレースに近い負荷を与えた方がいいと考え、丸焼きタイプに切り替えました」

――ご自身が行っていたトレーニングの流れは具体的には?

「最初はまずクロスカントリー走で20kmぐらい走ることを続けて土台を作ります。それで身体ができたら、今度はレースペースを分割して1km×10本とかでやり、徐々に1度に走る距離を延ばしていきます。2km×5本とか、3km×5本ぐらいまで。そうなったら、今度はレースペースより少し速く15kmを走って、20km、25kmと延ばしていきます。この時大切なのは、練習量を落とすなどの調整をせずに、レースペースで走るということです。そしてたまに30kmとかのロング走を入れたりして、マラソン1週間前からは練習量を落として調整に入る、という感じでしょうか。2012年の東京マラソンはこれを丁寧にやり、結果が出ました(2時間7分48秒で2位)」

――こうした考え方は市民ランナーの方にも応用できるのでしょうか。

「もちろんです。むしろ、実業団などのトップ選手よりサブスリーや3時間30分ぐらいを目指す市民ランナーの方が取り入れやすいと思います。というのも、トップ選手の場合、練習でパッとマラソンペースのキロ3分で走るってけっこうハードルが高いんです。でも、市民ランナーの方の場合、サブスリーのキロ4分15秒や3時間30分の4分58秒は、絶対的なペースとしてはそこまで速いわけではなく、今すぐそのペースで5km走れと言われてもできる人もけっこういますよね。だからレースペース走の反復もしやすく、それを積み重ねていくトレーニングが有効なんです」


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ランナーズ3月号では市民ランナーがレースペース走を取り入れる際の手順やポイント、具体的な1週間の練習メニュー例も合わせて掲載しています。

また、ランナーズ+メンバーズ会員が加入できるランナーズ+inチーム「サブスリーの会」では、より詳しい藤原流理論が毎週メールで届きます(サブスリー以外が目標の方にも応用できます!)。今年こそ目標タイムを達成したいランナーの皆さん、藤原流を実践してみませんか?




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