![]() 電子ペーサー「ウェーブライト」が導入された森永inゼリーエネルギーチャージゲームズ。参加者のレベルに合わせて各レースで3段階(3色)のライトが点灯する
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6月24日(土)に東京・舎人公園陸上競技場で開催されたトラックの大会「森永inゼリーエネルギーチャージゲームズ」に、「WaveLight(ウェーブライト)」が導入されました。
これはトラックの内側に設置されたLEDが参加者の目標タイムに合わせて一定のペースで点灯するもので、『電子ペーサー』とも呼ばれます。2018年に登場してからは主にトップアスリートが参加する国際大会で利用され、世界記録も誕生しています。
日本国内では昨年11月の八王子ロングディスタンスで初登場。市民ランナーを対象とした大会で導入されるのは珍しく、今回は運良くウェーブライトを間近で体験できたので、その感想をレポートします。
ウェーブライトは各レースで3段階のペースに設定されます(緑、赤、白の3色)。筆者が出走した男子3000mでは自分の目標タイムとほぼ同じ「10分20秒」が設定されました。ライトは常に一定のテンポで進むため、ペースが速ければ先行できますし、落ちてくると抜かされます。自分ではペースを維持しているつもりでも不意にライトが視界に入ってくると、「おおっ?」と驚かされることが何度かありました。
一方で、レース後半に苦しくなった時に先行されると巻き返すのが難しく、便利ではあっても「助力」とまではいかないな、とも感じました。ライトを意識するよりも他のランナーの背中をマークするほうが風除けにもなって走りやすいと思います。
それでも、目標のペースが視覚的に把握できるのは参加者としても面白く、見る側もウェーブライトを基準にタイムやレースの流れを追えるのは分かりやすくて良い試みだと感じました。私はレース後半でウェーブライトから遅れましたが、その後もライトとの距離を見ながら進み、ラストスパートでライトを抜き去って『先着』することに成功しました。トラックレースではフィニッシュ地点の横に速報タイマーが設置されているので、走っている間はそれをチェックしていることが多いですが、ウェーブライトがあると常に目標ペースとの差が把握できていい目安になりました。何より、目標タイムを刻むライトを逆転した時の爽快感は格別です。
問題は機器が高額なことで、夏に北海道で開催されるトップアスリート対象の競技会「ホクレン ディスタンスチャレンジ」ではクラウドファンディングによって導入資金を調達したほどです。また、自分の走りやすいペースとライトのスピードが一致するとは限らないため、「参考程度」に活用するのが良さそうです。1500mに出場した松井俊介さんは「1500mではスピードが速すぎてライトを見ている余裕がない」と話していました。
実際にウェーブライトを体験できる機会はあまりないかもしれませんが、今年はアジア選手権、世界陸上、アジア大会と陸上競技の国際大会が続きます。テレビなどで観戦する際はウェーブライトの存在にも注目してみてはいかがでしょうか。
(ランナーズ編集部 山本慎一郎)
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