裸足で走る理由は「その方が速く走れるから」(写真/下山展弘)
|
月刊ランナーズでは常識を覆す結果を出しているランナーを紹介する「脱常識ランナー」を連載しています。
現在発売中のランナーズ11月号では、厚底シューズがランニング界を席巻している中、裸足マラソンで日本最速タイム2時間39分30秒(2019年つくば)の記録を持つ伊豆倉健城さん(43歳)を紹介しています。
1979年5月、埼玉県三郷市生まれの43歳。
少年時代は「体育が大好きで小学校のマラソン大会はいつも上位」。
クラスに何人かは裸足で走る子がいて、伊豆倉さんも「裸足の方が速いと信じて疑わない一人だった」。
中学から大学まではテニスを続け「走るメニューが好きで、高校からテニスコートへの3kmを練習前後に走るのが楽しかった」。陸上部員が足りないため駅伝大会に出たこともある。
大学卒業後は運動から離れていたが、30歳になる直前の2009年に、同じマンションの住民から「駅伝に出よう」と誘われたのがランニングを始める契機になった。
2010年に早くも、かすみがうらで初マラソンに挑戦。
前半に突っ込んだのが失敗で3時間53分10秒(記録は以下もすべてグロスタイム)と苦闘した。
初戦で痛い目に遭ったが、その頃からサブスリーを意識していた。
2011年つくばは3時間0分9秒で悔しい思いをし、翌年の佐倉を2時間56分1秒で走り目標を達成した。
同年のつくばで2時間46分16秒、2013年の板橋Cityで2時間42分50秒と着実に記録を伸ばした。
だが、ここまでは脚の故障(両脚の腸脛靱帯炎)との闘いが続き、それに伴いシューズの選択で試行錯誤した。
ちょうどベアフットランニングが注目されていた時期。
伊豆倉さんは雑誌の広告で知り、ビブラムのファイブフィンガーズを試した。
すると脚の痛みが消えたが、「記録を狙うなら普通のシューズではないか」という思いが拭えなかった。
ちなみに2012年の佐倉、つくばはファイブフィンガーズ、2013年板橋Cityはアシックスのソーティマジックで走っている。
「板橋を2時間42分50秒で走れたけれど、全く余裕度がなかった。頑張り抜いて、ぎりぎりの状態で出した記録。シューズをはいていたのでは、これより上を狙うのは厳しい」
思い悩んだ末、以後、レースではシューズをはかなくなる。
つまり普通のシューズ、ベアフット系シューズ、裸足という選択肢から裸足を取ったのだ。
裸足での初マラソンは2013年つくば。記録は2時間56分20秒。
「裸足でもサブスリーができちゃうんだな」と感じた。
(文/吉田誠一)
(写真/本人提供)
|
現在発売中のランナーズ11月号では、伊豆倉さんの練習法、今後の目標について掲載しています。
※こちらから記事検索ができます。

ランナーズ12月号 10月22日発売!
さぁ、フルマラソン挑戦!
「30kmの壁」を突破する思考法
フルマラソン30km以降の失速を防ぐことは多くのランナーにとって永遠の課題。では、フルマラソンで失速しないランナーは何を考えてどんな行動をとっているのか。その理由を解明すべく、ランナーズ編集部はメールやSNSで「マラソンで失速しないランナー」にアンケートを実施しました。
失速しないランナーの分析に加え、スポーツ心理学研究者による失速対策法や運動生理学者による「失速しやすい条件」を解説。フルマラソンで快走したいランナーは必見です!
短期連載 100日間でサブフォー達成最終回
最終回の今号は「本番レース快走のために残り10日前から我慢すること×9」を解説します。
「直前まで練習を頑張りすぎる」「ドカ食いのカーボローディング」「宿泊先での長湯やサウナ」など、あてはまることはありませんか? サブフォー目標以外のランナーも参考になる内容です。
東京2025世界陸上競技選手権大会
ここが凄いぞ小林香菜選手!
東京2025世界陸上競技選手権大会が9月13日から21日に開催されました。
マラソンで女子の小林香菜選手(大塚製薬)が7位に入賞。小林選手は早稲田大学時代、「早稲田ホノルルマラソン完走会」というサークルに所属していました。サークル出身の元市民ランナーが世界陸上入賞にたどり着いた強さの裏側に迫ります。
本誌購入は年会費7,800円「ランナーズ+メンバーズ」がお勧め!
「ランナーズ+メンバーズ」は毎月最新号が自宅に届く(定期購読)だけでなく、「デジタルで最新号&2011年1月号以降が読み放題」「TATTAサタデーランが年間走り放題」「会員限定動画&コラム閲覧可」のサブスクリプションサービス! 年会費7,800円の超お得なプランです。
※こちらから記事検索ができます。