ランナーズonline

さぁ、大会を走ろう!!(2) 駆け抜けよう1万人の龍馬たち「高知龍馬マラソン」

2022年9月13日
初回大会となった2013年高知龍馬マラソン
初回大会となった2013年高知龍馬マラソン

現在発売中のランナーズ10月号では「さぁ、大会を走ろう!!」と題し、国内外の大会コラムを掲載しています。
今回は、来年2月19日(日)に開催が発表された「高知龍馬マラソン」について、大会アドバイザーを務める金哲彦さんが人気大会になるまでの経緯、大会による県民への効果について綴った一部を紹介します。



********


コロナ禍になる直前の2020年2月まで、毎年10回近くフルマラソンを完走した。それらのなかでも特にお気に入りなのが坂本龍馬の仮装で走る「高知龍馬マラソン」だ。他ではできないことも、なぜか高知では恥ずかしくない。
ちなみに、仮装は大会側から要望されたものではない。初めて走った2016年大会のポスターに「駆け抜けよう1万人の龍馬たち」というキャッチコピーが書いてあり「きっと龍馬の仮装がたくさんいるに違いない」と単純に思い込んだのだ。
実際のレースで龍馬の仮装はほとんどいなかったが、沿道の幼児たちから受けた「りょうましゃん、がんばれ〜」の声援が気持ちよく、以来すっかり病みつきになった。そして、2017年大会からはアドバイザーとして深く関わるようになった。
「高知龍馬マラソン」は、県が中心となって主催する大規模市民マラソン大会として2013年に始まった。設立初年度のエントリーは3000人台。そして、ゲストとして初参加した2016年は8000人台にまで増加した。しかし、ポスターに掲げられた「1万人の龍馬」には届かなかった。


龍馬マラソンができてから走る高知県民が増加した

さて、龍馬マラソンがミッションである1万人に到達するにはどんな施策がいいか。アドバイザーとして事務局とマーケティング戦略を練った。
自治体が主催するマラソン大会の開催目的は大まかにいうと2つある。
ひとつは、住民の健康増進や活性化など地域にかかわるもの。そしてもうひとつが、地域外からのランナーを呼び込む観光&経済波及効果である。

私は、このふたつのバランスをうまくとりながら地域の特性を最大限に生かすことがマラソン大会成功の必須条件だと考えている。
そして、龍馬マラソンでは県外からのランナーを増やすより、高知県民のエントリーを促すことが先ではないかと判断した。当時、走っている人はまだ少なかったが、元来陽気でお祭り好き。マラソンのポテンシャルが高いと判断したのだ。幸い、大会運営や広報は県庁の事務局単体ではなく、高知新聞、高知放送などの地元メディアが一体となっている強みがあった。

結果、2017年大会のエントリーは1万人を突破。「1万人の龍馬たち」のミッションは達成され、2020年2月までの4年間は「1万人」で安定推移した。
元々走っていなかった県民が地元にできたフルマラソン完走にチャレンジし、それがキッカケで走り始めたというニューカマーランナーも大会を彩っている。
実際「龍馬マラソンができてから、とにかく走っている人が増えた」と県民の多くが感じている。



「高知龍馬マラソン2023」のエントリーは、9月16日(金)20時から先着順にて。



※こちらから記事検索ができます。

ランナーズ9月号 7月22日発売!


短期連載「100日間でサブフォー達成!」

8月1日から100日後は11月9日――全国各地で秋のフルマラソンが開催されます。いま、サブフォーを目指して準備を始めるには絶好のタイミング。本企画では、ランナーズでお馴染みの猪瀬祐輔コーチ監修のもと、「サブフォー達成を目指す100日トレーニングプログラム」を紹介します。100日後、笑顔でゴールを駆け抜けませんか?


偉業! 昨年度の達成者は80人
60代サブスリーを諦めない

2024年度全日本マラソンランキングでサブスリーランナーは過去最多の1万2339人、その中で60代は男女合わせてわずか80人。
偉業を成し遂げたランナーが語る「60代サブスリー達成の秘訣」「若者へのアドバイス」とは? 60代サブスリーを目指す人はもちろん、年齢を重ねても速くなりたい全てのランナー必読の内容です。

「苦しみの先にある栄光」

6月29日に第40回サロマ湖100kmウルトラマラソンが開催され、昨年に続き30℃を超える過酷な条件の中、1,952人が完走(完走率58.4%)。フィニッシュ時のランナーの表情やコメントは、ほぼ全員が充実感にあふれていました。
40年間で37回連続完走(コロナ禍で3回中止)の越智利国さんの手記、古くから大会運営に携わる2人の町長が振り返るサロマの40年を、ランナーの表情と共にお届けします。



本誌購入は年会費7,800円「ランナーズ+メンバーズ」がお勧め!

「ランナーズ+メンバーズ」は毎月最新号が自宅に届く(定期購読)だけでなく、「デジタルで最新号&2011年1月号以降が読み放題」「TATTAサタデーランが年間走り放題」「会員限定動画&コラム閲覧可」のサブスクリプションサービス! 年会費7,800円の超お得なプランです。



※こちらから記事検索ができます。

「ランナーズonline」 一覧に戻る