(写真/小野口健太)
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7月29日(金)4年ぶりに山頂までの完全コースで開催された富士登山競走。
富士吉田市役所から富士山山頂までの21km約3000mを駆け上がるコースは脚筋力が重要となるため、女性や高齢ランナーは不利と言われています。
そんな中、男女通じて最年長(ランナーズ誌調べ)65歳での完走者となった須藤吉仕子さんは4時間14分45秒で走破しました。
6月の“ROCKIN’ BEAR” 妙高トレイルランニングレースのバーティカル部門でも女子総合優勝。
平均20%以上の傾斜の山を駆け登る「バーティカル」を連戦となりました。
今回は発売中のランナーズ9月号で須藤さんのこれまでの歩みについて取材している一部を紹介します。
専門とするのはすべて駆け登り種目。
苦行としか思えないレースになぜ勇躍して臨み続けるのか。
「理由は必要でしょうか?」。須藤吉仕子さんは回答に窮する。
「人を好きになるのと同じで、ただ好きだからとしか言いようがないんです」
好きだから駆ける。好きだから登る。好きだから続ける。そもそも理由はたいてい後付けであり、ほとんど意味を成さない。
理由は言葉にならなくても、走り始めたキッカケはある。
故郷の新潟県長岡市で41歳の時にランニングを始めた。息子2人が中学生になり、親離れをした。
夫の誠さんは埼玉に単身赴任中だった。自分の時間を費やす対象としてランニングを選んだ。
雪国ならではだが、体育館の2階にあるコースを周回した。
息子がスポーツクライミングを始めたことも、キッカケの一つだ。山の岩場には保護者が荷を背負ってついて行き、パートナーを務める。その体力を付ける必要に迫られた。
走る仲間ができ、大会に出始めたのは自然の流れだ。
44歳の2001年、初マラソンに挑戦し、タフなコースの苗場スーパーマラソンを4時間14分41秒で完走した。同年のしばた女子マラソンで急激にタイムを短縮し、3時間26分5秒でゴールしている。国際女子マラソンへの出場権を得るため、3時間15分切りを目指したというが、そのための熱の注ぎ方が並ではない。
青春18きっぷを使って長岡から夜行快速列車で東京の練習会に向かい、皇居周回の40㎞走などをこなした。千葉県富津市を拠点とするランニングクラブRUNWEBの練習会にも参加した。
その成果が表れ、2002年に3時間15分を切り、2003年の大田原で3時間2分37秒(自己ベスト)まで記録を伸ばした。
しかし、現在はロードレースから遠ざかっている。
「ロードがいやというわけではないのですが、山のほうが楽しい。身体が二つあったら両方続けます。でも、とても不器用なので一つのことしかできない」
走り始めた当初の2001年から山岳競技の縦走の北信越国体への出場を重ね、山のランニングの楽しさを知ったという。
そこから徐々に山岳レースにシフトしていく。
(取材・文/吉田誠一)
現在発売中のランナーズ9月号では全文を掲載しています。
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