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雨が降れば傘をさして走る 夏は命がけですよ(写真/軍記ひろし)
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月刊ランナーズでは常識を覆す結果を出しているランナーを紹介する「脱常識ランナー」を連載しています。
現在発売中のランナーズ8月号では2015、16年の本誌に「重りランナー」として登場、2021年度の1歳刻みランキング61歳の部でも1位を獲得し、通算15回目のランキング1位となった高橋英雄さん(62歳)を紹介しています。
なぜ長年にわたって1位を維持できるのか。
その鍵となる重りを背負った通勤ランについて、改めて話を聞きました。
(取材・文/吉田誠一)
高橋英雄さん(62歳)は、水の入った2本のペットボトル、着替え、折りたたみ傘、懐中電灯などを詰め込み、総重量を7kg(体重50kgの14%)にした容量25ℓのバックパックを背負い、キロ5分から6分で通勤時に16km、帰宅時に8kmを走っている。
神奈川県海老名市の自宅から茅ヶ崎市の勤め先まで直線距離は8kmだが、朝は6時50分に家を出ると回り道をして、天気が良ければ20kmに延ばすこともある。
2005年以来、週5日、このヘビーな通勤ランを続けている。
通勤時にこれだけの負荷を掛けると、仕事に影響しないのか。
「影響しますよ。でも、マイナスではなく、いい意味で。ひと息ついて、さあ仕事だという気持ちになる。朝4時に起きて出社前に練習をするなんて、僕にはできない。
仕事が終わってから走るのもいや。だから、生活に欠かせない通勤の時間に走る。通勤ランは練習ではなく、生活の一部という位置づけです。だから自分の感覚としてはマラソンの練習はあまりしていない」
スポーツジムやトラックでの練習はしない。インターバル走などスピードトレーニングはしない。
走る距離やペースにこだわらず、そもそもGPS付きスポーツウォッチを持っていない。通勤ランの距離は地図を見て測っている。
すべてにいい意味での泥臭さを感じる。
これはある意味、先端を行くランナー、理論に基づいて鍛えるランナーへの挑戦ではないかと思えてくる。
「通勤ランが自分の走りを支えているので、これはやめずに続ける。しっかり続けることが大事だと思う」
通勤ランを始めて17年。信念を曲げず、これだけ持続する執着心にすごみを感じる。
現在発売中のランナーズ8月号では高橋さんの重りトレーニングの効果について2016年に筑波大学で行った実験の内容を採録しています。
年季入りのバックパックは4代目か5代目
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