![]() 男子優勝の西村広和さん(写真/大会事務局)
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この2年余り大会中止や延期が続いた中、4月22日(金)から24日(日)に静岡県と山梨県でULTRATRAIL Mt. FUJI(UTMF)が3年ぶりに開催されました。
メイン種目である「UTMF165k」は静岡県富士市にある富士山こどもの国を4月22日午後にスタート。コースは富士山の西側を時計回りに走り、富士北麓の大平山、杓子山、霜山などを経て山梨県富士吉田市の富士急ハイランド・コニファーフォレストがフィニッシュとなる157.9km(※)。
また、富士急ハイランド発着でUTMF後半コースを走る「KAI 69k(69.6km)」も初開催されました。
2019年に降雪によるレース短縮、20年~21年はコロナで中止になり、UTMFが完全に開催されたのは4年ぶり。今年は1808人のランナーが出走し、1470人がフィニッシュしました。最終走者となった青木香興さん(37歳・神奈川)は「20年大会に初めて申し込みましたが中止に。参加者のひとりとして憧れのレースに出走できて、また、初めての100マイルを完走できてとてもうれしいです」と語りました。
※路面・天候状況によりコースが165.6kmから短縮。
現在発売中のランナーズ7月号では、UTMF実行委員会の共同代表を務める福田六花先生が、3年ぶりに開催されたUTMFへの想いを綴ってくれました。
今回はその一部を紹介します。
2晩目の夜が明けた。プラチナの空から降り始めた細い雨のなかを、100マイルの遥かな旅を終えた選手が帰ってくる。
僕はフィニッシュゲートに立ち尽くし、選手ひとりひとりをグータッチで出迎えた。「走ってくれてありがとう」と同じ言葉を何度も何度も繰り返した。
世界最高峰の100マイル・トレイルレースであるウルトラトレイル・デュモンブラン(UTMB)の姉妹レースをアジアにつくるために、2年の歳月をかけて準備したウルトラトレイル・マウントフジ(UTMF)を初めて開催したのは今から10年前(2012年)のことである。富士山麓(山梨県富士河口湖町)に住んでいる僕は、コースディレクターとして山梨県内のコースを決め荒れ果てたトレイルを整備し、レース前にはマーキングを行った。医療統括責任者としては10名の医師を配置し、医薬品を準備し、地元の救急病院や消防署と連携してレース中は医療全体の指揮をとった。その他に環境省、地元行政、陸協、自治会、メディアなどと様々な調整をし、コースに立つ200名の誘導スタッフを集め……思い返すだけでもお腹いっぱいになりそうな、今までの人生で経験したことのない仕事量であった。
こんなことは続けられないので、信頼できる仲間をたくさん巻き込んで、様々な紆余曲折を経て、揺るぎなくUTMFを開催できる実行委員会をつくりあげた。さらにはトレイル整備とコース誘導を担当する「TeamRICKA」を結成し、250名がメンバーになってくれた。富士山麓の100マイル(約160km)トレイルレースは、定員2400名のうち800名を海外選手が占める国際レースとして、世界中から認知されるまでに成長した……と自負していた。
そんなUTMFに2019年から苦難の日々が始まった。
![]() UTMF完走の鏑木毅大会会長(左)をフィニッシュで迎えた
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開催日 | : | 4月22日(金)~24日(日) |
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出走 | : | 1808人 |
完走 | : | 1470人(完走率81.3%) |
男子優勝 | : | 西村広和(18時間15分32秒) |
女子優勝 | : | 宮崎喜美乃(22時間14分15秒) |
現在発売中のランナーズ7月号では福田六花先生の大会への想いを全文掲載しています。
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