筑波大学で実験を行う近藤記者。実験から導き出されたフルの予測タイムは3時間0分58秒だが、実際は2時間48分2秒(2022東京マラソン)。この差異に「50代からのマラソン快走」のヒントがあった!(詳細本誌)
(写真/小野口健太) |
本誌連載「ランニング界の今」を執筆している読売新聞の近藤雄二記者(54歳)が「50代以降に記録を伸ばす、もしくは高水準を維持するランナーが多いのはなぜか?」を探るべく、筑波大学で実験を行い、様々な立場の人物(ランナー・研究者・コーチ)に取材をした本企画は「加齢とは何か?」を考えるものでもありました。筑波大学の鍋倉賢治教授は加齢について「何もしなければ人間の身体能力は20代から低下していく」と語り、この低下は「筋肉の萎縮や再生スピードが下がること」をさすといいます。
大人になってからランニングを始めた人はそれまで「走る練習」をしていなかったので、特に最初はタイムが伸びていきますが、当然のことながら人間は〝不死身〟ではないので、いつか「記録が落ちる」「マラソンを完走できなくなる」「走行距離が減っていく」といったことが起きます。いわば「トレーニングによる身体機能の強化」と「加齢による身体機能の低下」のせめぎあいこそが、生涯スポーツに代表される市民ランニングの本質です。
50代以降にマラソンで快走するために必要な練習は、細かい部分を突き詰めれば個々の走力や環境、それまでのランニング歴やスポーツ歴によって異なりますが、今回の取材で示された「脚を意識的に高く上げる動作」と「低エネルギー状態でのランニング」は全ての50代以降のランナーにとっての基本と言えます。特にマラソンの30km以降にシニアランナーが若きランナーを抜いていく光景が珍しくないことを考えると、「筋力や最大酸素摂取量が加齢とともに低下しやすくなる中で、30km以降の失速防止に重要なファクタとなる脂肪燃焼力は加齢の影響を受けずに高められる=低エネルギーランが必要(鍋倉教授)」という論は説得力「大」でした。
記録に挑戦し続けたい50代以上のランナーが行うべき「週末LSD生活」や「低エネルギー状態でのランニング」の詳細については本誌でご確認ください。
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