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ひざを上げる動きで使われる「大腰筋」の筋肉量は20代をピークに年1%の割合で減っていき、60代以降は急激に減少します。
つまりトレーニングをしている人としていない人の個体差は、年齢が上がるほど大きくなります。
あるシニア向けトレーニング教室で、平均年齢71.5歳の人を対象に簡易な筋トレを定期的に行い、半年後にMRIによる大腰筋の筋横断面積を測定したところ7~10%アップしていたという報告があります。
これは半年で肉体年齢が7~10歳若返ったことになり、人間の筋肉は適切な運動を行えば、「年齢を問わず成長できる」可能性を示しています。
ちなみにこの中には76歳の男性ランナーもいて、この方の体力年齢は39歳に相当していました。
理論的には80代で20代を超えることだってできるのです。
ランニングはひざを上げて前進する動きなので、日常的に走っている人は、走っていない人より大腰筋の筋力に優れる傾向があります。
加えてひざをしっかりと上げてストライドを広げて走ったり(スピードを上げると自然にそうなります)、階段を一段抜かしで駆け上がるような運動をすると、より筋力を維持できるようになります。
あるリハビリ専門医は「ヒトの運動機能は、楽なことばかりしていると老化の一途をたどる。ときには限界の負荷で、最大の機能回復をさせる方法が必要」と話します。
普段トレーニングを続けて、定期的にフルマラソンなどのレースに挑戦し、そのときの自分の限界に挑戦する多くのランナーは、体内のエネルギー枯渇、脚筋力の最大疲労を抱えながらゴールを目指し、記録に挑戦しています。
その時々の自身の限界に挑むことは、筋肉の最大能力維持につながっています。
また、仲間と一緒に行うことで、トレーニングへのモチベーションが上がり好結果を生むという報告もあります。
ランニングクラブに所属して練習会に参加したり、普段はひとりでトレーニングしていても、大会に出場して多くのランナーと一緒に走る日を設けることも同じ意味があるのです。
※月刊ランナーズより抜粋
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