![]() 2015年の30回大会でゴールする越智利国さん(9時間38分0秒)
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1986年に始まったサロマ湖100kmウルトラマラソン。2年連続中止になり、今年はオンライン大会が開催されています(エントリーは締め切り)。その初回大会で初めてレースに出場し、連続で完走し続けているのが越智利国さん(57歳)です。越智さんは「当時の経験が今なお走り続ける原動力になっている」といいます。
1986年、私は雑誌ランナーズでサロマ湖100kmウルトラマラソンの募集を見てから練習に出かけた。練習中に募集ページが頭蓋骨の内側に張り付いたかのように頭から離れない。当時の私はレース経験のないランナーだったが、不思議なことに不安はなく、100km走りたい気持ちで応募した。デビューレースがサロマになったのだ。9月開催で参加者50人、主催者も参加者もお互いに初めての経験で、初挑戦だった(翌年からは6月開催)。
大会前日、羽田空港に集合し飛行機で女満別空港へ。空港から一台のバスに乗って、コースの下見をした。夜は50km地点となる東急リゾート(当時)に宿泊、美味しい夕食をとりながらレースの説明を受けた。
レース当日、早朝に目覚めて外に出ると満点の星空に天の川、初めて見るオホーツクの夜空だった。その後、スタート地点「竜宮台」へバスで移動、ナンバーカードは布製、計測チップもない時代。まだ暗い中、スタートすると霧の中でだんだんと夜が明けていく。10km地点の最初のエイドステーションで、朝早くからランナーのためにエイドを準備してくれていたことに感動した(エイドがなければ走れないと今でも思う)。スタート後しばらくすると視界から人が消え、北海道の大地と道を走る「私だけ」になった。孤独を愛する長距離ランナーには最高の時間。サロマ湖、牧場、道、たまに通るバイク、車からの応援以外、エイドでたまに前後のランナーに会う程度。この時は会話を楽しむが、走り始めるとまたひとりの時間だ。
50km地点の東急リゾート(現在の鶴雅リゾート、73・5km地点)を通過し、ワッカの原生花園に入ると左にサロマ湖、右にオホーツク海。折り返し地点には小屋があり、ここは実業団が合宿で走る場所だと近くにいた人が教えてくれた。普段なら何の問題もないアップダウンと先の見えないカーブが、50km以上走った脚には堪えた。
(続きはランナーズ8月号へ)
デビューレースが「サロマ」になった越智さんがフィニッシュで感じたこととは?
ワッカ原生花園を出てからのレース模様はランナーズ8月号に掲載されています!
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40年間で37回連続完走(コロナ禍で3回中止)の越智利国さんの手記、古くから大会運営に携わる2人の町長が振り返るサロマの40年を、ランナーの表情と共にお届けします。
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