ランニングシューズ最前線

2015年12月24日
ランナーにとって、最も重要なアイテムといえる「シューズ」。 この連載では、ランニングシューズのマーケティング調査に10年以上携わり、ランナーでもある矢野経済研究所・野島さんが、“注目のシューズ”や“専門店で売れているシューズトップ10”について解説。  「ランナー」と「アナリスト」の両目線から、ちょっとだけマニアックなシューズトークを繰り広げます。

(株)矢野経済研究所 ファッション・スポーツ&リテールユニット 上級研究員
野島国夫さん(41歳)

1974年、神奈川県生まれ。スポーツシューズのマーケティング調査を10年前から担当。各メーカーの展示会やスポーツショップにも足しげく通い、あらゆる情報収集に日夜励んでいる。
3年前から仕事のアウトプット精度向上を目的に走り始め、すっかりランニングの虜に。年3~4回の頻度でレースにエントリーし、フルベストは2015年の横浜マラソンでマークした3時間50分49秒。月間走行距離は180~200kmでサブ3.5が当面の目標。
現在、スポーツシューズの市場調査に従事するなかで、ランニングの経験がおおいに役立っているという。

今月、注目のシューズ

「足入れの良さ」でファンを拡大した「アディゼロ タクミ」シリーズ。
フィット感が、さらに向上した

アディゼロ タクミ レン ブースト2

アディゼロ タクミ レン ブースト2
価格: 15,500円+税
重量: 約195g(27.0cm片足)
Men’s: 24.5~30.0cm
Women’s: 22.0~26.0cm

お正月の楽しみのひとつといえば、箱根駅伝ですよね。
2015年大会での青学旋風は記憶に新しいところですが、今回は、彼が着用しているシューズとしても話題となった「アディゼロ タクミ」シリーズの最新モデル、「アディゼロ タクミ レン ブースト2」に注目します。

この「アディゼロ タクミ」シリーズは、名工・三村仁司氏が“日本人ランナーを速くする”というコンセプトのもとにつくったシリーズ。2012年の発売時には専門店でも「足入れの感覚が良い」という声が多く、サブ3~3.5を目指すスピードランナーを中心に愛用者が増加。店頭では、アシックス「ターサー」シリーズや、ミズノ「ウエーブスペーサー」などとはき比べしながら、どのモデルを選ぶか悩む方も多いそうです。

1月15日に発売される新モデルの注目点は、さらなる「フィット感の向上」。アッパーには三村氏が4年の歳月をかけて開発したというMim‐lite-MESH X(ミムライト メッシュ クロス)が採用され、足の可動域に合わせて適度に伸びたり、元の形状を維持する力が増したことで足当りの良さが大幅に向上したとのこと。

今回のアップデートモデルは、ミッドソールの構造は大きく変えずにアッパーの改良でフィット感が良くなったので、スピードが出やすい従来のライド感とも融合し、これまで以上に記録が出やすいシューズになったと思います。
専門店にとっても、アップデートのたびにコロコロとライド感が変わってしまうモデルは売りにくいという声も聞きます。それだけに、これまでタクミシリーズを愛用していたランナーはもとより、外資系ブランドは足に合わないという先入観があったシリアスランナーも、店頭で試してみる価値がありそうです。

公式HPはこちら
http://shop.adidas.jp/running/takumi/#.VnDWsNKLTIU


ランニング専門店で売れているシューズベスト10

矢野経済研究所が集計している膨大なデータの中から、ランナーの関心が最も高い「ランニング専門店」でのリアルな販売データを公開。あなたのシューズはランキングに入っている?

順位 モデル名(メーカー名) 売上足数
1 ズームスピードライバル+4
(ナイキ)
4,527 ズームスピードライバル+4(ナイキ)
2 ターサージール4
(アシックス)
3,305 ターサージール4(アシックス)
3 ゲルカヤノ22
(アシックス)
2,404 ゲルカヤノ22(アシックス)
4 ウエーブライダー19
(ミズノ)
2,400 ウエーブライダー19(ミズノ)
5 ゲルフェザーグライド3
(アシックス)
2,175 ゲルフェザーグライド3(アシックス)
6 アディゼロ タクミ レン ブースト
(アディダス)
1,526 アディゼロ タクミ レン ブースト(アディダス)
7 エアズームエリート8
(ナイキ)
1,166 エアズームエリート8(ナイキ)
8 ルナスパイダーR6
(ナイキ)
1,159 ルナスパイダーR6(ナイキ)
9 エアズームストラクチャー19
(ナイキ)
896 エアズームストラクチャー19(ナイキ)
10 エアズームフライ2
(ナイキ)
856 エアズームフライ2(ナイキ)

集計ルール:
(1)全国にあるランニング専門店195店舗のPOS販売データを集計
(2)30%OFF以上の特価商品は除外
(3)スリム、ワイド、レディースなどは同一モデルとして集計
※「ランニング専門店」は、スポーツ量販店・ショッピングセンター・デパートなどを除くランニング用品を取り扱うショップを指す。
※10月1日~10月31日集計分

野島さんの目

10月はクッション性と安定性が高い“トレーニングモデル”が各メーカーから発売されました。先月初登場した「KAYANO22」は3位、ミズノの人気モデル「ウエーブライダー19」は4位と、上位にランクイン。また、10位以下ではありますが、ミズノ「エニグマ」、アシックス「GT2000ニューヨーク」といった最新作の販売実績を確認しているほか、ナイキ「ペガサス」、9位にランクインした「ストラクチャー」といった定番モデルの販売状況も良好です。エントリー層が本格的なフルマラソンデビューを控えるこの時期、これらの厚底セーフティモデルの競争が過熱しています。

また、サブ3向けのスピードモデル「ターサージール4」は、発売したばかりにも関わらず、早速2位に。発売と同時に上位にランクインするのは、このモデルを待っているコアなファンが多くいる証拠だと感じます。

各社の新作モデルが全て出揃うのは11月なので、次回の集計は私も楽しみ。特に注目しているのは「GT2000ニューヨーク」の最新モデル。絶大な人気を誇るモデルだけにどこまで販売実績を残すか注目しています。

協力/(株)矢野経済研究所

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