前回大会(2024年)の日本代表集合写真(写真/野田倖史郎KoshiroNoda)
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「1時間で6.7km走る」ことを身体の限界まで繰り返す、バックヤードウルトラという競技をご存知でしょうか。近年国内外ウルトラランナーの間で人気が高まりつつあります。この競技に魅せられて脱サラ、大会に参加するだけでなく自身でも大会を企画、さらには普及活動も行っている水野倫太郎さんがその魅力について綴る連載です。
リレーでもない、駅伝でもない。一風変わったランニングの団体戦が2年に1度開催されます。バックヤードウルトラ国別対抗戦、通称「サテライト大会」です。
ルールはいたってシンプル。各国の代表選手15名がそれぞれの国でバックヤードウルトラを実施。その国で最後の一人になるまでの15名の総周回数で国ごとの順位を競います。2026年大会は、10月17日(土) 21時、日本を含む世界74カ国で一斉にスタートします。
個人として最後の一人になって勝つこと以上に、いかに脱落者を出さず、国として総周回数を積み上げられるか。通常のバックヤードウルトラとはまた違った独特の雰囲気を持つ大会で、世界中のバックヤードコミュニティを熱狂させています。
その理由の一つが、各国で繰り広げられる代表争いです。
2026年大会の代表選考対象期間は、2024年8月16日から2026年8月15日まで。代表入りする方法は2つ。各国で指定された「シルバーチケットレース」で優勝するか、対象期間中の成績による国内ランキング「At-Largeリスト」で上位に入るかです。シルバーチケットレースの勝者が代表枠を獲得し、残った枠をランキング上位者が埋めていきます。
私が8月のオーストラリア遠征に帯同した日本人ランナーたちも、日本ランキングの代表圏内を目指して走りました。そして見事、2名が代表入り。同じ大会には、オーストラリア代表入りを目指して好記録を狙うランナーたちも多数参戦していました。
速く走るわけではない。ただ、1時間に6.7kmを走り続ける。この新しいランニング競技は、世界中のランナーに「国の代表になる」という新たな目標も与えています。
もう一つの魅力は、世界との「競走」であり、「共走」であることです。
サテライト大会が初めて開催されたのは2020年。過去3大会の世界王者は、ベルギー、アメリカ、ベルギーと移り変わってきました。過去の優勝国はもちろん、個人の世界記録保持者を輩出しているオーストラリア、そして2022年、2024年と2大会連続で世界4位となった日本など、各国が総力戦で王座獲得に挑みます。
そして、上位争いだけがこの大会の魅力ではありません。
2024年大会は61カ国で開催されましたが、2026年は74カ国、1,110名の選手が参加予定です。 国によって時間帯も、コースも、季節も、天候も違う。それでも世界中のランナーが同じ瞬間にスタートし、同じルールで走り続ける。
74カ国のバックヤードコミュニティが、ひとつの大会を通じてつながる。そのこと自体に、この大会ならではの感慨深さがあります。
サテライト世界戦の参加国マップ
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10月17日(土)21時、いよいよサテライト大会が幕を開けます。日本会場は、長野県木島平村の木島平村若者センター。日本にいながら世界と戦う、不思議な世界大会です。
当日はライブ配信も予定されています。国内のロードやトレイルの超長距離レース優勝者、24時間走や6日間走の日本代表経験者など、まさに“ランニングモンスター”と呼びたくなる15名が集結します。私もメンバーの一人として出走予定です。
注目したいのは、その実力だけではありません。「脱落者を出さない」ために、個性豊かな15名がどんなチームプレーを見せるのか。選手同士の声かけや支え合い、時間の経過とともに変化していくチームの雰囲気も、この大会ならではの見どころです。
さらに、120時間超を目標に掲げる選手もおり、長期戦となる可能性もあります。画面越しにはもちろん、ご都合がつく方は、ぜひ現地にも足を運んでいただけたら選手たちの大きな力になるはずです。
次回は、日本代表メンバーとライバル国を分析します。
<プロフィール>
みずの・みちたろう
プロウルトラランナー。1995年生まれ。神奈川県秦野市在住。バックヤードウルトラを主戦場に、2024年、2025年、日本代表として世界選手権に出場。自己ベストは 94LAP/約630km。
活動の軸は、走ること・伝えること・つくること。『走るはつなぐ』『共走』をテーマに、「丹沢ループス」「バックヤードウルトラ神奈川大会」等のイベント企画やバックヤードウルトラのドキュメンタリー上映会・ポッドキャスト配信にも精力的に取り組む。2026年は海外バックヤードを転戦中。
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