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発売中のランナーズ8月号では「今ハーフマラソンが熱い!」を特集しています。ハーフマラソンの記録を伸ばす方法について、研究者の髙山史徳さん(35歳)が科学的エビデンスや自身の取り組み経験から【理論編】と【実践編】に分けて持論を語ります。
文/髙山史徳(フルマラソン自己ベスト2時間46分)
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フルマラソンと比べると、ハーフマラソンは距離が半分というだけでなく、レースで問われる能力も変わってきます。
詳しく説明しましょう。フルは、自分が出せる絶対的なスピードに加えて、それをどれだけ長く、崩れずに保ち続けられるかが鍵になります。この崩れにくさは、スポーツ科学では「Durability(耐久性)」と呼ばれています。たとえば、最大酸素摂取量やランニングエコノミーといった走力に深く関わる生理学的要因は、距離を重ねる中で少しずつ落ちていくことがわかっています。こうした走るほどに削られていく力を、どこまで保ち続けられるかが鍵となり、それを高める手段の1つとして、ロング走のような長時間の刺激が有効だと考えられています。
一方、ハーフは、Durabilityが大幅に削られる前にゴールできます。したがって、より求められるのは絶対的なスピードそのもの。なお、ここで言う「スピード」とは、100mのような一瞬の速さではなく、10〜15分ほどのあいだ高い強度を維持できるようなものです。
実際、スピードがハーフの記録と強く関係していることを示した研究(※1)もあります。この研究では、23人の男性ランナーの協力を得て、12分間走の結果と、実験室での最大酸素摂取量などを含むテストの結果が、ハーフマラソンのタイムとどれだけ関係しているかが比べられています。結果は、12分間走で走れた距離が、実験室テストよりもタイムを推定できたというものでした。つまり、10分少々の短時間において、どれだけ速く走れるかが、ハーフの結果に大きく関わるということです。研究によって導かれた推定式は、以下の通りです。
ハーフマラソン推定タイム(分)=201.26 − 0.03433 × 12分間で走れた距離(m)
極端に言うと「スピードさえあれば何とかなる」のがハーフです。実際、フルのタイムのわりに、ハーフが速いランナーは、「自分はスピード型」と感じている方も多いはずです。
※1
Alvero-Cruz, J. R., Carnero, E. A., Giráldez García, M. A., Alacid, F., Rosemann, T., Nikolaidis, P. T., & Knechtle, B. (2019). Cooper Test Provides Better Half-Marathon Performance Prediction in Recreational Runners Than Laboratory Tests. Frontiers in physiology, 10, 1349. https://doi.org/10.3389/fphys.2019.01349
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