「筋トレは頑張らなくていい」との持論を語る研究者の髙山史徳さん(写真/戸屋亮二)
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ランナーズ1月号「ランナーの困ったを解決」特集で脚つり・痙攣の解決法を指南してくれた研究者の髙山史徳さんは、同記事内で「筋トレは頑張らなくていい」と持論を語りました。髙山さんはストレングス&コンディショニングコーチ、パーソナルトレーナー、研究者として活動しフルマラソン自己ベスト2時間46分15秒(2024別大)の記録を持つランナーでもあります。「筋トレは頑張らなくていい説」の真意を確かめるため、編集部が髙山さんを訪ねました。
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編集部 本誌1月号で「脚つり・痙攣」に悩むランナーへの解決法を指南してもらいました。その中で、相談者の「筋トレが大嫌いなんです。筋肉痛が怖くて」という言葉に対して「そんなに頑張らなくていいですよ。筋トレはむしろ頑張らなくていいというのが私の持論です」と答えていました。この持論について詳しく聞かせてください。
髙山 まず私の言う「頑張らない」というのは「限界まで追い込まない」という意味です。その根拠は、ランナーの場合、(筋トレで)限界まで追い込む必要性を示すエビデンスがない、むしろ追い込まない方がいいというエビデンスがあることです。そして、追い込むことによるダメージがランニングのトレーニングにマイナスの影響を与えると考えているからです。
編集部 そんなエビデンスがあるのですか。
髙山 あります。そもそも筋トレを行う目的は、(ランナーという前提をなくすと)主に「筋肥大」と「筋力向上」の2つがあります。筋肥大については、限界に向けて追い込んだ方が効果が高まる、というエビデンスがあります。一方、筋力向上については、追い込もうが追い込むまいが効果は変わらず、「高強度」であることが重要という結果がでています。ランナーにとって、過度な筋肥大は重りになってしまうことがあるので、筋トレが筋肥大のためではないことは理解しやすいですよね? ランナーが筋トレを行うメリットは、ランニングエコノミーを向上させたり、筋力を高めたりすることで走力をアップさせるためです。
編集部 筋トレと言っても、ジムで器具を使って行うような筋トレもあれば、自宅でもできる自重の筋トレもあります。
髙山 科学的には「高強度(概ね1度に10回以上繰り返せない負荷設定)」がランニングエコノミーの改善にベスト、というのが前提としてあります。その上での「頑張らなくていい=限界まで追い込まなくていい」という論旨です。なので基本的にジムで重りを使用して行うような筋トレを対象にした持論になります。
編集部 私もそうですが、ジムに行くのはハードルが高い、というランナーも多いです……。
髙山 自重での筋トレは、ランニングエコノミー向上という目的では決してベストとは言い難いですが、ケガ予防という意味では、筋トレの具体的方法よりも無理なく継続することが重要で、ケガ予防効果が認められたアプローチには自重ベースのものもあります。一方、高強度の筋トレは、ハードルが高いと思われがちですが、ランニングパフォーマンス向上や健康面にも効果がある上、よく言われる俗説(身体が重くなる、柔軟性がなくなる)の多くも間違いです。「ジムで筋トレをやる時点ですでに頑張っている」という指摘もあるかもしれませんが、私はその先入観を変えたいです。
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発売中のランナーズ3月号では、「頑張らない筋トレで効果あり」を示すエビデンスの内容や、「頑張らない筋トレ」は実際どれくらいの頻度で、どんな種目をどのくらい行えばいいのかなど、髙山さん自身の経験も踏まえて語っています。
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本誌過去50年の歩みを様々な切り口から振り返る連載。今月号は「レース1カ月前から速くなれるトレーニング」です。
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67歳で3年8カ月ぶりのサブスリー
弓削田眞理子の “疲れ” が抜けた!
58歳で初サブスリーで注目されてきた弓削田眞理子さんが、昨年11月16日の神戸マラソンで3年8カ月ぶりとなるサブスリーを達成(2時間58分59秒)しました。67歳でマークしたこの記録は「世界初の65歳以上女性サブスリー」。
本誌では、初サブスリー時から幾度も弓削田さんに取材を行ってきました。その過程で見えた、3年8カ月ぶりサブスリーの要因は、蓄積された “疲労” が抜けたことにありました。
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編集部が実施した「勝負メシ」アンケートで、レース前にうなぎを食べるランナーは21.1%(第3位)。1位のご飯、2位のうどんは炭水化物をとるカーボローディングで一般的。なぜうなぎが支持されているのか。妻の優花さんとともに好んで食べるというパリ五輪6位入賞の赤﨑暁選手をはじめ、専門家やランナーの声をお届けします。
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