ランナーズonline

RUNNERS ONLINE

ジム増加で身近になった低酸素トレ 研究者は「魔法のトレーニングではないけれど取り組む価値アリ」

2024年5月27日
低酸素下の高強度トレーニングを研究する森田さん
低酸素下の高強度トレーニングを研究する森田さん

現在発売中の月刊ランナーズ7月号ではスポーツジムで行う「ジムラン特集」をしています。近年は一般的なジムに加えて、低酸素トレーニングができる施設も増加。誌面ではM高史さんが「低酸素トレのおかげで自己ベスト連発できた」と効果を語っていますが、果たして低酸素トレーニングは一般的な市民ランナーにも効果があるのでしょうか? 東京大学大学院で低酸素下での高強度トレーニングを研究し、昨年のおかやまマラソンで優勝した森田雄貴さんに聞きました。


********


私は大学院に進学する際、自身の競技力向上にも役立てるため、低酸素下の高強度トレーニングについて研究を始めました。当初は「このトレーニングには夢がある」と思っていましたが、これまでの研究で分かったのは、低酸素トレーニングは魔法のトレーニングではないけれど、競技力を伸ばす効果が見込めるということです。

まず、高地トレーニングの効果と一般的に知られる「赤血球が増える」ということは、一定期間高地で過ごす必要があるので、ジムの低酸素下で走るだけでは起こりません。では何が良いのか、というと低酸素下で運動すると筋肉中の酸素飽和度が下がります。この刺激に身体が反応することで毛細血管やミトコンドリアが増加することにつながり、それによってパフォーマンスが上がると考えることができるのです。

そして、酸素飽和度はジョギングよりも高強度トレーニングの方が下がるので、低酸素トレーニングの効果をより多く感じたいのであれば、インターバル走など短時間で追い込む練習を行うのがいいでしょう。

これまでジョギングしかしてこなかった人が行うのはもちろん効果がありますし、現在スピード走を行っている人は、それと別の日にプラスαの練習として取り組むのがいいのではないかと思います。また、平地よりもスピードが遅くても追い込めるので、故障が多い人は脚への負担を低く抑えて身体に刺激を与えられるかもしれません。ちなみに、低酸素下では走る以外のトレーニングでももちろん効果があるので、バイクトレもお勧めです。私は故障時にバイクで追い込む使い方をしていました。


********


発売中のランナーズ7月号では、M高史さん11年ぶりのフルマラソン自己ベストにつながった低酸素トレーニングの内容を掲載。また、初めてジムトレをするランナーに向けてトレッドミルの使い方や屋外走との違い、筋トレメニューも紹介しています。



ランナーズ1月号 11月22日発売!


新提案! 年代とタイムで算出
あなたの「マラソン偏差値」はいくつ?

フルマラソンのタイムから年代・性別ごとに「マラソン偏差値」を算出! 男女別に各年代の偏差値70、65、60、55、50、45のタイムを一覧にして掲載しています。
「最近加齢で記録が低下してきた」という方のモチベーションアップに、年齢や性別が異なるランニング仲間との記録の比較として、ご活用ください。

「マラソン大会の応援」は人を元気にする!

ランナーズ編集部が実施したアンケートでは、大会でランナーを応援した1148人のうち88.1%の人が「元気度がとても上がった」もしくは「少し上がった」と答えました。
さらに「日常生活でよりアクティブになった」「精神的に前向きになった」と行動の変化を表す回答も。読めばマラソンの応援に行きたくなる本特集、ぜひご覧ください。

フルマラソンレース中の
「三大困った」(腹痛・脚つり・トイレ)を解決!

どんなに練習を積んでも、万全の準備をしても、なぜかトラブルが起こってしまうのがフルマラソンです。この特集では、多くのランナーが経験する「腹痛」「脚つり」「トイレ問題」に対し、コーチや専門家が事前の対策や当日の対処法を指南します。「トラブルなく快走したい」というランナー必見です!



本誌購入は年会費7800円「ランナーズ+メンバーズ」がお勧め!

「ランナーズ+メンバーズ」は毎月最新号が自宅に届く(定期購読)だけでなく、「デジタルで最新号&過去12年分の記事が読み放題」「TATTAサタデーランが年間走り放題」「会員限定動画&コラム閲覧可」のサブスクリプションサービス! 年会費7800円の超お得なプランです。



「ランナーズonline」 一覧に戻る