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1月28日の大阪国際女子マラソンで前田穂南選手が打ち立てた2時間18分59秒の日本新記録について、かつてランニング学会の会長を務めた大阪体育大学名誉教授の豊岡示朗先生がデータを交えて分析してくれました。
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マラソンの記録は5000m、1万m、ハーフマラソンなど、いくつかの距離とタイム(速度に換算)を検討すると数直線上で予測できます(図参照)。トラック種目の世界トップランナーでマラソンも世界歴代2位のタイムを持つシファン・ハッサン選手(2時間13分44秒、図の△)と、前日本記録保持者の野口みずき選手(2時間19分12秒、図の□)を前田選手(図の〇)と比較してみると、前田選手はマラソンの記録が他種目(5000m15分26秒39、1万m31分34秒94、ハーフマラソン1時間8分28秒、30km1時間38分35秒)に対して直線上になく、記録水準が高いことが分かります。マラソンの2時間18分59秒はこれらのタイムからは考えられない記録です。また、過去に2時間20分を切った日本人はみな男性ペースメーカーに引っ張られて出した記録なので、後半をほぼ単独で走り切った前田選手の記録は価値が高いと思います。
前田選手は潜在的にはトラックでもっと速いタイムが出せるのかもしれませんが、一方でトラックで前田選手よりも速いランナーはたくさんいるので、そういった選手がうまくトレーニングを積めば今回の日本記録をさらに上回る選手が出てくる可能性はあります。
日本の女子マラソンは男子に比べると選手層が薄く、そのことも日本記録が19年間更新されなかった要因だと思われます。ここから底上げが進んでいくことを期待します。
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