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坂を走っているとき、身体では何が起こっているのでしょうか?
上り坂では、身体を高いところに持ち上げながら走ることになります。
前方に進む力に加え、上方向の力も必要になるわけですから、その分大きなエネルギーを使うことになります。
平坦と同じスピードなら、上り坂のほうが(単位時間あたりの)エネルギー消費が高いため「運動強度」も高くなります。
平坦よりも上り坂のほうが「きつい」と感じるのはそのためです。
平坦で使われていた筋線維が「遅筋線維」であっても、坂道を走ると運動強度が上がるため「中間筋」が動員され、さらに速く走ると「速筋線維」が使われることになります。
遅筋線維ではエネルギー基質は脂肪が中心ですが、中間筋、速筋線維が使われるようになると、糖質中心に変わっていきます。
一方下り坂では、上り坂や平坦に比べて脚にかかる「物理的な負担」は大きくなります。
平地のランニングでは、体重の2~3倍の負担が脚にかかると言われていますが、下りだとそれ以上(傾斜やスピードによって異なる)になります。
腿の前側の大腿四頭筋は「伸張性筋収縮」といって、筋を伸ばしながら力を発揮します。
下りでは脚は伸びた状態で着地し、着地後にひざを曲げ始めます。
大腿四頭筋にすれば筋を伸ばし、衝撃を吸収しにくい状態で、体重の何倍かの負荷を受け止めているのです。
筋肉痛は、この伸張性筋収縮で起こります。
上りよりも下りで筋肉痛になりやすいのです。
上り坂と下り坂ではこんなに大きな違いがあります。
そのため、トレーニング効果も大きく変わります。
●上り坂を走る効果
・心肺機能の向上が期待できる
・速く走ることで耐乳酸性能力が上がる
・ゆっくり走ることで着地時間が長くなり脚筋強化につながる
・上下動が抑えられ、体幹を使うイメージをつくりやすい
●下り坂を走る効果
・地面と垂直の姿勢で、推進力を最大にするフォーム改善となる(下りでは身体が後ろに反っている感覚でも、平坦では直立した姿勢となる)
・リズム(ピッチ)を速くする神経回路を刺激できる可能性がある
※月刊ランナーズより抜粋
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