![]() |
坂を走っているとき、身体では何が起こっているのでしょうか?
上り坂では、身体を高いところに持ち上げながら走ることになります。
前方に進む力に加え、上方向の力も必要になるわけですから、その分大きなエネルギーを使うことになります。
平坦と同じスピードなら、上り坂のほうが(単位時間あたりの)エネルギー消費が高いため「運動強度」も高くなります。
平坦よりも上り坂のほうが「きつい」と感じるのはそのためです。
平坦で使われていた筋線維が「遅筋線維」であっても、坂道を走ると運動強度が上がるため「中間筋」が動員され、さらに速く走ると「速筋線維」が使われることになります。
遅筋線維ではエネルギー基質は脂肪が中心ですが、中間筋、速筋線維が使われるようになると、糖質中心に変わっていきます。
一方下り坂では、上り坂や平坦に比べて脚にかかる「物理的な負担」は大きくなります。
平地のランニングでは、体重の2~3倍の負担が脚にかかると言われていますが、下りだとそれ以上(傾斜やスピードによって異なる)になります。
腿の前側の大腿四頭筋は「伸張性筋収縮」といって、筋を伸ばしながら力を発揮します。
下りでは脚は伸びた状態で着地し、着地後にひざを曲げ始めます。
大腿四頭筋にすれば筋を伸ばし、衝撃を吸収しにくい状態で、体重の何倍かの負荷を受け止めているのです。
筋肉痛は、この伸張性筋収縮で起こります。
上りよりも下りで筋肉痛になりやすいのです。
上り坂と下り坂ではこんなに大きな違いがあります。
そのため、トレーニング効果も大きく変わります。
●上り坂を走る効果
・心肺機能の向上が期待できる
・速く走ることで耐乳酸性能力が上がる
・ゆっくり走ることで着地時間が長くなり脚筋強化につながる
・上下動が抑えられ、体幹を使うイメージをつくりやすい
●下り坂を走る効果
・地面と垂直の姿勢で、推進力を最大にするフォーム改善となる(下りでは身体が後ろに反っている感覚でも、平坦では直立した姿勢となる)
・リズム(ピッチ)を速くする神経回路を刺激できる可能性がある
※月刊ランナーズより抜粋
※こちらから記事検索ができます。
ランナーズ9月号 7月22日発売!
短期連載「100日間でサブフォー達成!」
8月1日から100日後は11月9日――全国各地で秋のフルマラソンが開催されます。いま、サブフォーを目指して準備を始めるには絶好のタイミング。本企画では、ランナーズでお馴染みの猪瀬祐輔コーチ監修のもと、「サブフォー達成を目指す100日トレーニングプログラム」を紹介します。100日後、笑顔でゴールを駆け抜けませんか?
偉業! 昨年度の達成者は80人
60代サブスリーを諦めない
2024年度全日本マラソンランキングでサブスリーランナーは過去最多の1万2339人、その中で60代は男女合わせてわずか80人。
偉業を成し遂げたランナーが語る「60代サブスリー達成の秘訣」「若者へのアドバイス」とは? 60代サブスリーを目指す人はもちろん、年齢を重ねても速くなりたい全てのランナー必読の内容です。
「苦しみの先にある栄光」
6月29日に第40回サロマ湖100kmウルトラマラソンが開催され、昨年に続き30℃を超える過酷な条件の中、1,952人が完走(完走率58.4%)。フィニッシュ時のランナーの表情やコメントは、ほぼ全員が充実感にあふれていました。
40年間で37回連続完走(コロナ禍で3回中止)の越智利国さんの手記、古くから大会運営に携わる2人の町長が振り返るサロマの40年を、ランナーの表情と共にお届けします。
本誌購入は年会費7,800円「ランナーズ+メンバーズ」がお勧め!
「ランナーズ+メンバーズ」は毎月最新号が自宅に届く(定期購読)だけでなく、「デジタルで最新号&2011年1月号以降が読み放題」「TATTAサタデーランが年間走り放題」「会員限定動画&コラム閲覧可」のサブスクリプションサービス! 年会費7,800円の超お得なプランです。
※こちらから記事検索ができます。