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「仕事は絶好調(に多忙)でランニングは絶不調の40代」へ5つの提言

2022年12月01日
自転車競技の1時間走を元に「47歳まで持久力は維持できる」を示したノルウェーの研究データ
自転車競技の1時間走を元に「47歳まで持久力は維持できる」を示したノルウェーの研究データ

現在発売中のランナーズ1月号の特集「生涯ベストは47歳までに狙うべし」には、自転車競技の記録を元にした「持久力のピークは47歳」というノルウェーの研究データが掲載されています。このデータを知った、十字堂鍼灸院の小松秀人先生が「患者さんには不調を迎えている40代ランナーも多いように感じます」と、「不調」から「絶好調」へ転換するためのアドバイスを寄せてくれました。

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今回のデータに基づく「40代は絶好調。今こそ自己ベストを狙うべし」というテーマは実に楽しい内容です。一方で「40代から仕事は絶好調で忙しくランニングは絶不調」で悩んでいるランナーの声が聞こえて来るような、それとも空耳だろうか……。

私の仕事は鍼灸師(はり・きゅう)、東京都渋谷区恵比寿で開業し40年。ランナーを中心に鍼灸施術と運動処方を行っています。40代ランナーの相談の多くは、仕事が忙しくなり前のように走れなくなり、週末にガツンと走った後疲労が取れない、アキレス腱・足底、ひざ、腰が痛い……など様々です。今まで通りには行かないランニングに対する不安を感じるのが40代とも言えます。

まさに論文データが提示している有酸素運動能力は徐々に衰え、47歳がピークである結果と一致する40代の壁。どのように意識を変え絶好調へ転じチャレンジしていくか、大枠ですが私の臨床経験から説明させて貰います。


「40代は仕事もランニングも絶好調」を目指すランニングリセット法

私は、スポーツは科学と感覚であると認識しています。各種スポーツはルールと時間の制約で行われており、特にマラソンはペース配分を考え一定距離走りぬく競技。40代をピークに失敗のランニングから絶好調へ転じて行くポイントをご提案致します。


ポイント(1) 過去の成功体験から脱皮せよ

論文データから有酸素能力は47歳をピークに下降線と論じている通り、年齢を重ねる中で、過去の練習と感覚を追い続けても失敗体験の連続(走れていないランナーを対象)。過去から進化へのランニングを考案すること事が未来へ繋がるマラソン人生です。


ポイント(2) 現状のランニング能力を把握する

ランナーズでは一年ごとに年齢別ランンキングを掲載しています。これは練習を組立てる上でとても大切な考え方です。現状の能力に合わせた5km・10km・ハーフ・フルどれでも結構ですので目標タイムを設定して下さい。


ポイント(3) 練習会で安定した走力と感覚を創る

ペース走で一定の長い距離を一人で走り切るのは限界があります。今は各地域で様々な内容の練習会が開催されていますので、積極的に参加し引っ張ってもらい進化する絶好調の脚と感覚を創り上げて行きましょう。


ポイント(4) リカバリーをしっかり取りリセットする

マラソン練習は量と質の科学が求められるスポーツです。馬力だけでは潰れてしまいますので、練習結果を成功体験へ繋げて行くには効率性が重要です。リカバリーをしっかり取り、脳と身体を休ませパワーチャージをして下さい。そのことが社会的に忙しくなる責任ある40代ランナーには必要です。


ポイント(5) チャレンジ生涯マラソン人生へ

有酸運動能力と上手に向かい合い、40代から始まる生涯マラソン人生、未来に向けてチャレンジして行きましょう。
私事で恐縮ですが、30代絶好調、40代不調、50代絶不調、現在62歳は2022年北海道マラソン完走・東京レガシーハーフ2022完走。好調への兆しか?


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プロフィール
小松秀人(こまつ・ひでと)
十字堂鍼灸院(東京都渋谷区)院長。過去3年以内のフルマラソンベストは4時間27分02秒(2022年北海道マラソン)



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