![]() 国内外のレースで獲得したトロフィーに囲まれて(写真/軍記ひろし)
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月刊ランナーズでは、常識を覆す結果を出しているランナーを紹介する「脱常識ランナー」を連載しています。
現在発売中のランナーズ12月号では、9月初旬に390kmのスイス横断レースで優勝するなど、100マイル(160km)以上のレースで上位入賞。レース以外でも自身の限界に挑み続けているいいのわたるさん(42歳・東京)にこれまでの生い立ちと、今後の野望を聞いています。
今回はその一部を紹介します。
「つらい思いをしないと楽しくない。楽ばかりしていたら飽きてしまう」。
ウルトラランナー、いいのわたるさん(※飯野航、42歳)の言いたいことは分かる。
しかし、いいのさんの場合、求める「つらさ」の深度が度外れている。
7月中旬から9月初旬の間にアイガー・ウルトラトレイル(250km、2位)、クロッシング・スイス(390km、優勝)、スイスピークス(360km、2位)を立て続けに走った。2022年に入ってからこの時点までに100マイル超のレースを7度走り、優勝2回、2位3回、3位1回。その総走行距離は3526km、累積標高は15万9074mに及ぶ。
大学卒業後、自動車会社に就職し、設計技師としてエンジン周りの設計に携わった。28歳でドイツのシュツットガルトに赴任。1年ほどしてダイエットのため本格的に走り始めた。
欧州各国の大会を巡り、フルマラソンは3時間前後で走った。
30歳でトレイルのレース(ダボスマラソン、78km)を初体験し、超長距離の世界に踏み込んだ。ドイツ転勤が人生を大きく変えたことになる。
2011年に灼熱の砂漠を走るサハラマラソンに初挑戦。日本に戻ってからも厳しいレースを求め、2016年のナミブ砂漠250km(ナミビア)を制し、2017年には世界一過酷と言われるバッドウォーター135(217km、米国)で日本人初の優勝を遂げた。
自ら手を挙げ、最高気温が45℃にもなるインドのチェンナイに赴任したのは、バッドウォーターに向けたトレーニングの地として最適と考えたからだ。暑すぎて誰も走らない酷暑の中、いいのさんは何度も野犬に追いかけられ、「それがインターバル走になった」と笑う。
月間700~800kmを走って暑熱順化したことが優勝につながった。
※ドイツ赴任時のランニング仲間からの依頼で名前を平仮名表記にしている
(文/吉田誠一)
現在発売中のランナーズ12月号では、いいのさんが2023年に挑む、5大陸を走破する壮大なプロジェクト「世界旅ラン」への思いも掲載しています。
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ランナーズ5月号 3月22日発売!
万国共通「走る力は生きる力」
3月2日に開催された東京マラソンは約3万7000人が出走し、海外からの参加者は約1万7000人。2月24日の大阪マラソンには約3万2000人が参加し、海外からのエントリーは約6000人。世界各国のランナーにあなたにとっての「走る力は生きる力」をインタビューしてわかったことは、言葉や文化が異なっても、ランニングを通じて前向きな人生を切り開いていることは万国共通、ということでした。
40年連続サブスリー達成者に川内優輝がインタビュー
今年2月の別府大分マラソンを2時間59分27秒でフィニッシュし、40年連続サブスリーを達成した日吉一郎さん(当時59歳)に、マラソン2時間20分以内で100回以上走破し、ギネス記録保持者である川内優輝選手がインタビュー。「なぜこれほど長い間継続できたのか」を聞きました。
世界のレジェンドたちに聞いた!
加齢に打ち克つ究極の「My Training」
年齢を重ねても走り続けるレジェンドランナーたちはどのようにして衰えを克服し、マラソンで高いパフォーマンスを維持しているのでしょうか。今号に登場するレジェンドたちの「マイトレーニング」を紹介します。
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