![]() 24時間走などにも取り組んでいるためか、がっしりとした身体つき
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8月の100km世界選手権では日本代表がワンツーフィニッシュを飾りましたが、今年4月に100kmの世界最高タイムが記録されたのをご存じですか?
6時間5分41秒で走り切ったのはリトアニアのアレクサンダー・ソロキン選手(40歳)。メールインタビューなど(※1)を元に人物像を紹介します。
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ソロキン選手が6時間5分41秒を記録したのは、イギリス・ベッドフォードの400mトラックで開催された「Centurion Running Track 100Mile」。1kmあたり3分39秒で走り切った計算になり、2018年のサロマ湖100kmウルトラマラソンで風見尚さんが樹立した6時間9分14秒の世界記録を上回る(※2)。
「練習中、世界最高タイムでフィニッシュしたら、笑顔で両手を挙げて、幸せいっぱいになる想像をしていましたが、実際は、ゴール後ただ空っぽになりました。『仕事は終わった』と」
フルマラソン地点を2時間32分33秒で通過、後半もペースを維持して走り切った。「苦しい場面はほとんどなかったですが、ずっと風との闘いでした。90kmまでは世界最高タイムが出るかわからなかった」
ソロキン選手は昨年の同大会で100マイルと12時間走の世界記録を樹立している。24時間走の世界記録も保持し超ウルトラマラソン界では第一人者として知られるが、走り始めたのは32歳の時だった。
「25歳までカヤックをやっていました。世界選手権にも出場しましたが、肩のケガで引退を決意。その後はビール、タバコ漬けの生活になり、体重は100kgまで増えました。ある日、こんな生活はやめよう、人生を変えようと決意しランニングを始めました」
初レースでハーフマラソンを走り、2回目のレースが100kmだったという。
「ある時、グラウンドに紙が落ちているのを見つけて、それが100kmレースの案内だったのです。何かの思し召しだと思い、『自分自身へのチャレンジにしよう』と決意しました。初100kmに向けての練習は、ネットで検索したり、カヤックのトレーニングを応用したりしました。(初100kmを)ゴールした時は全身痛みに襲われていたけれど、本当にハッピーだった!」
カジノでディーラーとして働いていたが、2019年の24時間走世界選手権の後、プロランナーに。現在のトレーニングは、1週間の走行距離がレースまでの期間に応じ100~300km。7日間のうちロング走を2回、スピード走(インターバル)を2回行い、その他の日はリカバリーランとしている。
次の目標レースは9月17日にイタリアで開催されるIAU 24時間走ヨーロッパ選手権だ。
「日本はウルトラマラソンが盛んだと聞いているので、ぜひ一度行きたいと思っています。日本のランナーの皆さんには、私の経験から『全ては自分の意志で決まる』と伝えたいです」
※1:アメリカのランニングメディア「I Run Far」に転載許可を得たインタビューと編集部が行ったメールインタビューへの回答を元に記事を作成しています。
※2:今回のソロキン選手の記録はトラックでの記録のため、世界記録は風見尚選手の記録が残るとみられます。
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