ランナーズonline

【学問の道はRUNに通ず】科学的に解説!「屋外ランニングではコロナに感染しない」

2022年5月17日

2022年1月号より連載している同志社大学スポーツ健康科学部教授石井好二郎先生による連載「学問の道はRUNに通ず」。
現在発売中のランナーズ6月号ではランナーのマスク着用について科学的に解説しています。


ランナーにマスクは必要?

3月6日に東京マラソンが開催され、約2万人のランナーが参加しました。ほとんどのランナーがマスクをせずに走りましたが、その後、東京マラソンが原因となった感染拡大は報告されていません。開催された世界中のロードレースでも感染拡大は認められていません。
今回はランナーのマスク着用について科学的に解説します。

私は米国の新聞を数社WEB購読しています。新型コロナウイルスが米国でも感染拡大し始めた2020年3月、フィットネスジムでクラスターが発生しジムが閉鎖され、多くの人々が屋外でのランニングを中心とした運動に移行していることが報道されていました。米国の新聞ではソーシャルディスタンスが保たれていれば安全に実施できる「パンデミックに最適なスポーツ」とのウイルス学・感染症学の研究者のコメントとともに、ジョギングが紹介されていました。
しかしながらその後、ベルギー・オランダの研究者による、あたかもランニングをしている人物の飛沫が、後方に流れるようなCG動画がインターネットにより世界中に拡散され、日本では一般ニュースでも取り上げられたことから、ランニングは感染リスクの高い行為であるという認識が広がりました。

2020年7月1日、私が理事を務める日本臨床運動療法学会と日本臨床スポーツ医学会は、「新型コロナウイルス感染拡大防止期間中における屋外での運動に際しての注意」の共同声明を発表し、「運動は心身の健康維持に有効」とした上で「呼吸を制限する」「熱中症の危険性が高まる」ため、「屋外運動時のマスクや口鼻を覆うものの着用は、基本的には推奨しない」との内容を含めました。


石井好二郎先生

石井好二郎先生
同志社大学スポーツ健康科学部教授。日本体力医学会・日本肥満学会・日本抗加齢医学会・日本サルコペニア・フレイル学会等の理事・評議員を務める。専門は運動処方。1964年3月生まれ



現在発売中のランナーズ6月号ではランニングが低リスクであるか数値を基にしてより詳しく解説しています。

※こちらから記事検索ができます。

ランナーズ5月号 3月22日発売!


万国共通「走る力は生きる力」

3月2日に開催された東京マラソンは約3万7000人が出走し、海外からの参加者は約1万7000人。2月24日の大阪マラソンには約3万2000人が参加し、海外からのエントリーは約6000人。世界各国のランナーにあなたにとっての「走る力は生きる力」をインタビューしてわかったことは、言葉や文化が異なっても、ランニングを通じて前向きな人生を切り開いていることは万国共通、ということでした。

40年連続サブスリー達成者に川内優輝がインタビュー

今年2月の別府大分マラソンを2時間59分27秒でフィニッシュし、40年連続サブスリーを達成した日吉一郎さん(当時59歳)に、マラソン2時間20分以内で100回以上走破し、ギネス記録保持者である川内優輝選手がインタビュー。「なぜこれほど長い間継続できたのか」を聞きました。

世界のレジェンドたちに聞いた! 
加齢に打ち克つ究極の「My Training」

年齢を重ねても走り続けるレジェンドランナーたちはどのようにして衰えを克服し、マラソンで高いパフォーマンスを維持しているのでしょうか。今号に登場するレジェンドたちの「マイトレーニング」を紹介します。



本誌購入は年会費7,800円「ランナーズ+メンバーズ」がお勧め!

「ランナーズ+メンバーズ」は毎月最新号が自宅に届く(定期購読)だけでなく、「デジタルで最新号&2011年1月号以降が読み放題」「TATTAサタデーランが年間走り放題」「会員限定動画&コラム閲覧可」のサブスクリプションサービス! 年会費7,800円の超お得なプランです。



※こちらから記事検索ができます。

「ランナーズonline」 一覧に戻る