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写真/小野口健太
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ランナーズ5月号の表紙は東京マラソンを走るエリウド・キプチョゲ選手でした。
読者から「かっこいい‼」「憧れる」と反響をいただきました。
キプチョゲ選手のようなフォームに(少しだけでも⁉)近づくためのコツは「上半身」にあると語るのは、ソウル五輪(88年)1万m日本代表の米重修一先生です。
今回は、2016年5月号に掲載した内容を米重先生に改めて解説いただきました。
私のランニング理論の原点は、1983年のヘルシンキ世界陸上と1984年のロサンゼルスオリンピックに1万mイタリア代表として出場し、いずれも金メダルを獲得したアルベルト・コバとの出会いに遡ります。
当時の日本で主流だった、「地面を蹴って、腕を強く振って、歩幅(ストライド)を伸ばす」という指導を受けていた私にとって、彼の走りを目にしたときの率直な印象は「なんじゃこりゃ⁉」。まるで雷に打たれたかのような衝撃でした。具体的には一見するとゆっくりでも、腰をしなやかにローリング(骨盤をぐるぐる)させ、「地面を蹴らずに」大きな動きを体現。日本とは対極にある走りの理論でした。
今でこそ、スポーツ力学の観点から「蹴ることの弊害」は筋肉を使うことで生まれる「力み」によるパフォーマンス低下にあると判明していますが、欧米では30年も前から下半身の筋肉に頼らずに骨格で走る論理が成熟していたことになります。
一方、日本においては、前述した誤解に基づく指導が未だに散見される現状があるのです。
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米重修一
元5000m日本記録保持者で1988年のソウルオリンピックに5000m、1万mの日本代表として出場。
旭化成を退社後に拓殖大学陸上競技部監督に就任。
2012年に開催されたロンドンオリンピックのマラソン男子日本代表として出場した藤原新選手や中本健太郎選手を育成。
現在発売中のランナーズ6月号では米重先生が勧める「腰高ウォーキング」もイラスト付きで紹介しています。
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