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![]() 対談は母校の教室で行われました(写真/軍記ひろし)
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現在発売中のランナーズ6月号ではチャレンジの象徴として、今も挑戦を続ける人物を掲載しています。
今回は4月からスタートしたランナーズ+inチーム「330の会」コーチ・吉田香織さん(40歳)と60代女子マラソン世界記録保持者・弓削田眞理子さん(63歳)の対談を紹介します。
実はこの二人、埼玉県でも有数の進学校である川越女子高校出身で、吉田さんは弓削田さんの教え子でもありました。大学進学率100%の学校で、吉田さんが希望した「高卒実業団入り」の背中を押したのが弓削田“先生”でした。
編集部 吉田さんは大学進学率100%の川越女子高校からひとりだけ実業団の道に進まれましたが、その時に体育の教員として高校にいたのが、弓削田さんだと聞いています。お二人で当時のことを振り返っていただけますか?
弓削田 初めて香織ちゃんを見たのは彼女が1年生の時の駅伝大会。私は当時別の高校にいたのだけれど、実業団に進んだうちの2年生エースに香織ちゃんが勝ったんです。私も川越女子の出身だから「強い子がいる」と注目していたら、翌年母校に赴任することになりました。
吉田 授業や部活で教えてもらったわけではないのですが、弓削田先生が朝も夜も、授業の空き時間も校庭を走っているのを見ていました。私は当時一日6kmぐらいしか走らなかったから「先生の走行距離には一生勝てない」と思っていました(笑)。
弓削田 香織ちゃんはいつも楽しそうに走っているのが印象的でした。練習中に過呼吸ばかり起こしていた私の高校時代とは大違い。それで速くて成績もいいからすごいなと思っていました。それだけに大学に行かないと聞いた時は周りの先生たちも驚いていましたね。
吉田 全員が大学に行く学校なので、何度も呼び出されて説得されました。でも、私は一番強いチーム(小出義雄監督の指導する積水化学)で陸上に集中したかったんです。応援してくださる先生もあまりいなかった中で、「頑張ってね」と言い続けてくれたのが弓削田先生でした。
弓削田 進学校だと進学実績も重要だから先生たちも気にしちゃうんですよね。そんな環境から実業団に行くのだから、相当な覚悟なんだなと思いました。
吉田 「勉強が最優先」という周りへの反骨精神もありましたね。
ゆげた・まりこ
川越女子高校教員。同校から埼玉大学に進み、1500mで日本インカレ入賞。教員になった後も走り続け、24歳の初マラソン(東京国際女子)で3時間9分21秒。出産・育児を経て50代から再び記録を更新し、58歳の大阪国際女子マラソンで初サブスリー。
62歳で迎えた同レースで出した2時間52分13秒は女子60~64歳のマスターズ世界記録。
よしだ・かおり
プロランナー。埼玉県の川越女子高校から実業団積水化学に就職、小出義雄監督の指導を受ける。その後、資生堂に移籍。初マラソンの北海道で優勝。
以後セカンドウインドACやハイテクタウンなどを経て、フリーのプロランナーに。2015年のさいたま国際マラソンは日本人トップの2位。自己ベストは2時間28分24秒(2017年名古屋)。
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現在発売中のランナーズ6月号では対談の全文、そして吉田さんが担当するランナーズ+inチーム「330の会」の詳細も掲載しています。
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