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「フルマラソンで記録を狙うなら本番前に3週間の集中トレーニングをすることが重要」と語るのは、ランニングコーチの金哲彦さん。"疲労困憊になるまで追い込めば必ずレベルアップできる"という、金哲彦流レース6~4週間前に行う「勝負の3週間」のトレーニングを紹介します。昨年、NHK BS1「ランスマ俱楽部」で金さんから「勝負の3週間」の実践を伝えられた、本誌2021年4月号表紙モデルの佐野千晃さんが、なぜ3週間頑張ることが重要なのか尋ねました。
佐野 金さん、今日はよろしくお願いします。一年前に「ランスマ倶楽部」で「マラソン練習、勝負の3週間」を実践した時はすごくキツかったです。まずはフルマラソンの前に3週間、ハードな練習を続けることの重要性について教えてください。
金 そもそも人間(ランナー)の身体はキツい練習での「破壊(負荷)」と休養での「回復」を繰り返すことによって鍛えられます(スピードやスタミナが養われます)。その面で3週間、負荷の高い練習を行い、1週間負荷の低い練習で身体を回復させる、というサイクルは生理学的に理にかなっていると考えています。レース本番の6~4週間前からこれを実践して最後に疲労を抜けば、「絶好調」の状態でスタートラインに立つことができます。
佐野 金さんはいつからこの考え方をお持ちなのですか?
金 現役時代や実業団の指導者時代も同じような理論でトレーニングに取り組んでいました。ただ、はっきり体系立てたのはニッポンランナーズを創設してからです。市民ランナーが限られた時間の中で速くなるのに適した内容ではないかな、と。
佐野 なるほど。「こんなランナーに実践してほしい」というのはあるのでしょうか?
金 前提として基礎となる練習をある程度積んできた、サブフォーより速い目標を設定している方です。
佐野 ランナーズ読者の方が取り組む場合の練習メニューを教えてください。
金 一般的には平日はなかなか時間をとれないランナーが多いと思うので、毎週末、強度の高い練習を2日連続行う「セット練習」が基本です。一日はマラソンペースを意識した実践練習(5km×2本や20km走など)、もう一日は20km以上のLSDなどの長い距離を走るスタミナ練習です。練習メニューの詳しい解説はランナーズ3月号で紹介しています。
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きん・てつひこ
プロランニングコーチ。早稲田大学時代に箱根駅伝5区で区間記録樹立。2001年に「NPO法人ニッポンランナーズ」を設立。現在はテレビの解説でも活躍。1964年生まれ。
さの・ちあき
本誌4月号表紙モデル(昨年)。フルマラソン自己ベストは3時間14分23秒(2019東京)。現在、NHKBS1「ランスマ倶楽部」の番組内でサブスリーを目指している。1992年生まれ。
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万国共通「走る力は生きる力」
3月2日に開催された東京マラソンは約3万7000人が出走し、海外からの参加者は約1万7000人。2月24日の大阪マラソンには約3万2000人が参加し、海外からのエントリーは約6000人。世界各国のランナーにあなたにとっての「走る力は生きる力」をインタビューしてわかったことは、言葉や文化が異なっても、ランニングを通じて前向きな人生を切り開いていることは万国共通、ということでした。
40年連続サブスリー達成者に川内優輝がインタビュー
今年2月の別府大分マラソンを2時間59分27秒でフィニッシュし、40年連続サブスリーを達成した日吉一郎さん(当時59歳)に、マラソン2時間20分以内で100回以上走破し、ギネス記録保持者である川内優輝選手がインタビュー。「なぜこれほど長い間継続できたのか」を聞きました。
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