ランナーズonline

【週刊ランナーズ】アジア大会金メダリスト・井上大仁選手に、恩師・上田誠仁監督(山梨学院大)が説いた「3つの坂」

2018年8月30日

「人生には3つの坂がある。上り坂、下り坂、“まさか”だ。特にマラソンは“まさか”の連続だよ」
これは、ジャカルタ・アジア大会で、32年ぶりに男子マラソンの金メダルを獲得した井上大仁選手(MHPS)が、大学1年生の夏に、所属する山梨学院大学の上田誠仁監督にかけられた言葉です。

井上選手は高校時代、全国大会に出た経験が無く、大学に入ってからもしばらくは、右足首の故障などで、なかなか走れない日々を過ごしていました。悩む井上選手を誘い、山梨県甲府市にある渓谷「昇仙峡」を目指してサイクリングに行ったときのことを、上田監督はこう話してくれました。
「そこは自転車を担いで上るような場所があったり、頂上だと思っていたら、更に上があったり、予想もしていなかった道が続きます。井上は『まだ登るんですか?』と聞いてきましたが、そこで『3つの坂』の話をしたんです。こんな“まさか”に動じてはいけない、と」

それ以降、井上選手はどんどん記録を伸ばし、箱根駅伝に4年連続で出場。2月の東京マラソンでは、2時間6分54秒の日本歴代4位を記録しました。

アジア大会では、ラスト数十mで競り合うバーレーンの選手と接触するシーンがありましたが、動じることなく、振り切って1位でゴール。7年前に恩師からかけられた言葉を、井上選手は大きな舞台で実践してみせました。

※現在発売中の『ランナーズ』10月号には、上田監督が駅伝やランニングの本質を綴る人気連載「疾風勁草知(しっぷうにけいそうをしる)」が掲載されています。また連載「恩師への手紙」では、トレイルランニング世界選手権代表で、山梨学院大OBの荒木宏太さんから、上田監督への手紙を公開しています。ぜひご一読ください。

(ランナーズ編集部/栗原)


2月の東京マラソンでゴールする井上選手(写真/青山義幸)
2月の東京マラソンでゴールする井上選手(写真/青山義幸)

※こちらから記事検索ができます。

ランナーズ5月号 3月22日発売!


万国共通「走る力は生きる力」

3月2日に開催された東京マラソンは約3万7000人が出走し、海外からの参加者は約1万7000人。2月24日の大阪マラソンには約3万2000人が参加し、海外からのエントリーは約6000人。世界各国のランナーにあなたにとっての「走る力は生きる力」をインタビューしてわかったことは、言葉や文化が異なっても、ランニングを通じて前向きな人生を切り開いていることは万国共通、ということでした。

40年連続サブスリー達成者に川内優輝がインタビュー

今年2月の別府大分マラソンを2時間59分27秒でフィニッシュし、40年連続サブスリーを達成した日吉一郎さん(当時59歳)に、マラソン2時間20分以内で100回以上走破し、ギネス記録保持者である川内優輝選手がインタビュー。「なぜこれほど長い間継続できたのか」を聞きました。

世界のレジェンドたちに聞いた! 
加齢に打ち克つ究極の「My Training」

年齢を重ねても走り続けるレジェンドランナーたちはどのようにして衰えを克服し、マラソンで高いパフォーマンスを維持しているのでしょうか。今号に登場するレジェンドたちの「マイトレーニング」を紹介します。



本誌購入は年会費7,800円「ランナーズ+メンバーズ」がお勧め!

「ランナーズ+メンバーズ」は毎月最新号が自宅に届く(定期購読)だけでなく、「デジタルで最新号&2011年1月号以降が読み放題」「TATTAサタデーランが年間走り放題」「会員限定動画&コラム閲覧可」のサブスクリプションサービス! 年会費7,800円の超お得なプランです。



※こちらから記事検索ができます。

「ランナーズonline」 一覧に戻る