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徹底分析 サブ3.5は本気になれば達成できる!?⑥

2024年8月01日

識者が語る②

科学で分かるサブ3.5の価値 「男性は一流、女性は超一流の市民ランナー」(石井好二郎先生)

サブ3.5の価値は科学的にみるとどの程度なのだろうか? 同志社大学の石井好二郎先生に考察していただいた。


フルマラソンで3時間30分を切るというのはランナーにとってどういうことなのか、持久的能力を表す指標の一つ、最大酸素摂取量(VO2max)を使ってその価値を考えたいと思います。

長距離走・マラソンのトップ選手は最大酸素摂取量が体重1kgあたり70~80ml/分ほどの数値を示しています。これに対してトレーニングをしていない一般人は男性で約50ml/分、女性で約40ml/分です。また、最大酸素摂取量へのトレーニング効果は20%程度が上限であり、一般男性が精一杯トレーニングをした場合60ml/分前後、女性で50ml/分前後となります。

VO2maxの速度で走ることができるのは4~5分程度なので、1500mの全力走に匹敵します。そして、マラソンではほとんどの市民ランナーはVO2maxの60%前後でしか走れませんが、トレーニングを積んだエリート選手は75~85%まで追い込んで走ることができます。

また、走る速度が速くなるほどに必要な酸素摂取量は増加していき、その計算式に基づいて求めると、サブ3.5ペース(キロ4分58秒)に必要な酸素摂取量は約44mlとなります。これは前述の精一杯トレーニングをした男性ランナーがエリート選手レベルの75%VO2maxまで追い込んでマラソンを走った時に可能となります。同様に精一杯トレーニングをした女性であれば、超エリート選手レベルの85%VO2maxで走り切ると達成できる計算となります。

このように、3時間30分切りというのは持って生まれた最大酸素摂取量が大きなランナーであればすぐに手が届くタイムといえるかもしれませんが、一般的な能力の人間であればなかなか難しく、サブ3.5を達成した男性は「一流市民ランナー」、女性は「超一流市民ランナー」と評すことができるかもしれません。

なお、私自身も1kgあたり57ml/分が生涯の最大酸素摂取量ですから、このタイムに届くためには十分な努力が必要であることを理解しています。


石井好二郎(いしい・こうじろう)
同志社大学スポーツ健康科学部教授。大阪体育大学卒業・兵庫教育大学大学院修了後、大阪市立大学で博士号取得。現在は日本体力医学会・日本肥満学会・日本抗加齢医学会等の理事・監事を務める。




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