プロフィール:いわやま・かいと(天理大学准教授。専門はスポーツ栄養学、エネルギー代謝。2022年度全日本マラソンランキングは40歳の部10位:北海道マラソン2時間29分56秒)
スル夫さん(サブスリーランナー180人)の詳細なデータからは、どんなことが読み取れるのか? 天理大学の岩山海渡先生に解説していただきました。
今回のスル夫さんのデータを見ると、マラソン本番の中間点が1時間24分4秒、ゴールタイムが2時間49分3秒とほとんど失速せずに走り切っています。しかも、ハーフマラソンのシーズンベストは1時間20分12秒であり、中間点の通過はこれより約3分遅いだけです。このことから、非常に優れた持久力を有していることが分かります。その一つの理由として考えられるのが、月間337㎞とかなりの距離を走り込んでいることです。
この距離の大半は強度の低いジョギングが占めているかもしれませんが、文献などによるとジョギングで走り込むことによって、「ミトコンドリア数および毛細血管密度の増加や脂質代謝の亢進」が期待できるとされています。ミトコンドリア数の増加は、脂質代謝の向上につながるので、グリコーゲンの節約能力が高まります。毛細血管密度の増加は筋肉への血流量が増加し、結果として筋肉への酸素供給量の増加をもたらします。つまり、当然のことかもしれませんが、月間走行距離の多さが失速防止につながっています。
もう一つ注目したいのが、フルマラソン以外のレースに年7回程度出場していることです。内訳は「ハーフマラソン」が半分以上でした。1万m走~フルマラソンの栄養戦略を記載した論文によると、ハーフマラソンでもグリコーゲンの枯渇に関連した疲労が起こるとされています。トレーニングでグリコーゲンを枯渇させることは脂質代謝の向上につながりますから、ハーフを走っていることがフルマラソンの後半対策になっているということができます。
まとめると、スル夫さんはフルマラソンの後半も失速しない優れた持久力を有しており、それには月300~400㎞という走り込みと、トレーニングをかねて繰り返しハーフを走っていることが好影響を与えている、ということができそうです。
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★勝負シューズベスト5
1位 | ヴェイパーフライシリーズ(ナイキ)・・・68人
2位 | メタスピードシリーズ(アシックス)・・・40人
3位 | アルファフライシリーズ(ナイキ)・・・31人
4位 | アディオスプロシリーズ(アディダス)・・・9人
5位 | マジックスピードシリーズ(アシックス)・・・5人
★勝負レースベスト5
1位 | 東京マラソン・・・37人
2位 | 別府大分マラソン・・・36人
3位 | つくばマラソン・・・19人
4位 | 大阪マラソン・・・14人
5位 | 防府マラソン・・・11人
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