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厳選 日本の市民ランナーを速くした50年分のトレーニング③

2025年11月01日

2002年 4月号

アスリートらしい生活を送り、計画性を持つ
「金哲彦のサブスリー道場」

日本では前例がなかった市民ランナーを対象としたプロランニングコーチとして独立した直後の連載「金哲彦のサブスリー道場」は人気を博した。


実業団の指導者だった金哲彦さんがニッポンランナーズ設立とほぼ同時期に開始した連載が「サブスリー道場」。それまでに培ったノウハウをもとに「サブスリーは実現不可能な目標ではありません」と語っている。ここでは初回に掲載した「サブスリー達成 十の基本」を記す。①コーチを持つ(客観的にアドバイスしてくれる人を持つ)、②アスリートらしい生活を送る(何気ないことをしっかり行う)、③計画性を持つ(目標の大会を決めてトレーニング計画を立てる)、④効率のよいフォームを身につける(重心をいかに少ない力で前に移動させられるか)、⑤レースでの走り方に慣れる(ペース配分や集団での走り方などテクニックを身につける)、⑥ペース感覚を身につ
ける(どのくらいのペースで走っているか分かり、走ろうとするペースで走れる)。⑦42.195㎞を走り切るスタミナをつける(体内の脂肪やグリコーゲンをうまく燃焼できる身体をつくっておく)、⑧食事を工夫する(身体は食事によってつくられる)、⑨筋力と耐乳酸能力を高める(マラソンを走るための脚をつくる)、⑩最後は目標レースへの準備、集中力、執念がカギ。



2003年4月号

シドニー五輪金メダルの高橋尚子選手も実践!
「あなたにもできるフラット走法」

「短距離はつま先から接地」「長距離はかかとから接地」が常識とされていた時代に、足裏全体で着地する「フラット走法」を紹介。


シドニーオリンピック女子マラソン金メダル、元マラソン世界記録保持者の高橋尚子さんの走り方として知られるようになったのが「フラット走法」だ。

脚を前方に振り出し、地面を蹴って進む従来の走り方(ピストン走法)に対し、フラット走法はハムストリングを使って脚を後方へ素早くスイングすることを意識する(着地は意識しない)。これにより腰が高い位置で安定し、上下動が少なく、重心がほぼ水平に移動して、ブレーキング動作の小さいフォームとなる。
 
フラット走法を身につけるためには、股関節の柔軟性を高めること、ハムストリングを強化し、使えるようにすることがポイント。

実際に走る際のイメージとしては①ひざから下の振り出しは意識せず自然に走る、②着地はかかとからではなく足裏全体でフラットに、③足首はできるだけ使わないようにし、地面を押さえて走るイメージに、④大腿を真下に素早く下ろす、もしくは素早く前に引き付けるイメージ。
 
上記4つのイメージを全て持つ必要はなく、いずれか意識しやすいものをイメージしながら走ることで、フォームが変わっていく。



2009年 4月号

発案者は米ランナーズワールドの編集者
アメリカで人気のスピード走「ヤッソ800」

アメリカ生まれでネーミングがユニークな「ヤッソ800」は
“実践しやすいスピード走”として認知が広まった。


スピードを養成するためのインターバル走が有効なことは多くのランナーが知っているが、自身の走力だとどのぐらいの距離をどの程度のタイム設定で行えばいいのか判断が難しいと感じられるかもしれない。そんな中、目標とするフルマラソンの記録によって簡単にタイム設定ができる練習が2009年「トレーニングの新常識」で紹介した「ヤッソ800」だ。

ヤッソ800は800m×10本を400mリカバリー(ジョギング)でつなぐ練習。800m疾走はフルマラソンの目標が3時間なら3分、3時間15分なら3分15秒、3時間30分なら3分30秒といたってシンプル。リカバリーの400mジョギングは800m疾走と同じタイムでつなぐ。
 
フルマラソンの「時間」部分を「分」に変えるというタイム設定の分かりやすさから、当時アメリカでは多くの市民ランナーがこのトレーニングを行っていたという。ちなみに、ヤッソというのは発案者であるランニング雑誌『ランナーズワールド』編集者バート・ヤッソさんの名前に由来する。

このトレーニングの効果について、大阪体育大学の豊岡示朗先生は「最大酸素摂取量の向上と筋肉の代謝能力の改善(乳酸を再利用する能力の高まり)が期待できる」としている。

ただし、たとえばフルが5時間のランナーは800mの設定タイムが5分となるので物足りないと考えられる。豊岡先生は「目安としてフルが3時間30分より上のレベルのランナーには有効、といえるでしょう」と語る。



2008年10月号・11月号

上って下って脚も心肺も同時に鍛える
1度の実践で効果抜群の「峠走」

ウルトラマラソンランナーの岩本能史コーチが提唱する峠走は、一度実践するだけでも高い効果を得られることが特徴だ。


それまでフルマラソンに向けた脚づくりといえばロング走が主流だった。そんな中、市民ランナーに向けた新たなマラソン練習として岩本能史コーチが提案したのが「峠走」だ。
 
峠走は山(不整地ではなくロード)をひたすら上って、折り返してからひたすら下る、というもの。上りも下りも追い込むトレーニングで、それぞれ別の要素を一度の練習で鍛えられるのが特徴だ。

上りでは平地に比べてゆっくりのスピードでも追い込むことができ、心肺機能やハムストリング、お尻といった地面を押すための筋肉が鍛えられる。下りは平地よりも速いスピードが出せるのに加えて着地衝撃が大きいため、大腿部などの筋肉が効果的に鍛えられる。脚の回転を速くするための神経回路を活性化させられることもメリットだ。
 
距離の目安は往復で15~28㎞。片道1㎞以上の坂を数回往復する形でもOKだ。岩本コーチは「すぐに成果が表れる練習なので、1度だけでも峠を訪れてほしい。月2回程度行うと別人のような走りになる」と語る。

現在も実践者が多く、2022年10月にRUNNETが実施したアンケートでは、サブスリー達成者の約35%が峠走を行っていた。





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脳のリミッターをはずして速くなる!

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