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エミール・ザトペック
1922年生まれ。チェコスロバキアが生んだ伝説の長距離ランナー。「人間機関車」の異名で知られ、1952年ヘルシンキ五輪では5000m、1万m、マラソンの3種目で金メダルを獲得。1981年、多摩ロードレースに出場するために来日したザトペックに、日本の市民ランニング伝道者である山西哲郎氏がインタビューした
インターバル走を世に広めた人として知られ、1952年のヘルシンキ五輪でマラソン、1万m、5000mの3種目で金メダルを獲得したエミール・ザトペック。自身のインターバル走について本誌に語ったインタビューの中で「予習=新しいことを習うことが進歩になる。その予習とはスピードだと気づいた」と振り返った。
私が初めて大会に出場したのは1941年、19歳の時です。これは正式の選手ではなかったのですが1500mに出て4分20秒3、2位でした。この結果が良かったためか、陸連の人が勧めてくれて翌年、正式に登録し、走り始めたわけです。トレーナーもついてくれて、走る前には体操をしなさいとか、これだけ練習しなさいとか教えてくれました。ところが、ここでは5000mを一生懸命走り、それを繰返す、こればかりでした。しかし私には面白くない。確かにある程度の効果はあると思いますが、私には興味がもてず、やる気も失われてきました。
私は考えたわけです。繰返すだけでは復習しかしないことと同じだと。予習、すなわち新しいことを習わなければ進歩がない。そこで予習とは何だろうと思った時わかったのがスピードです。長い距離を速く走るためには、100mでもスピードを出して走ってみる必要があると思ったわけです。そこで、私はトレーナーなしで一人でスピード練習を始めました。
まず100mの直線のあるところを選び、直線を全力で走ったあと、スピードを落としてゆっくり走り、また100mを全力で走るという方法で10本とか行いました。まわりからは、あいつは頭に来たようだなんて言われてかなり抵抗はあったんですが、私は私の方法を主張しました。100mの次は200mという風に。そうしている時に、パーボ・ヌルミという選手の書いた本で、1時間に400mを4回走る練習をしてレコードが出たとあったので、私は1時間に6回やってみようと練習したわけです。かなりいいレコードが出ました。
私は、戦争が終わると軍隊に入りました。というのも、スポーツをやっているものには有利で、時間がたくさんとれるからです。
教練が終わるとすぐに森に行きました。そこは250mくらいの真っ直ぐな道と、その先に400mくらいの道があるんです。そこで私は250mを20回、400mを20回練習しました。きつかったですよ、とても。森は地面が割合柔らかですから、これができるのです。
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フランク・ショーター
1947年生まれ。イェール大学在学中の1968年に、メキシコシティーオリンピックのマラソン競技アメリカ予選に出場。1971年福岡国際マラソン優勝。1972年ミュンヘンオリンピック・マラソンでアメリカに64年ぶりの金メダルをもたらした
福岡国際マラソン4連覇、ミュンヘン五輪マラソン金メダルなど数々の実績を持つフランク・ショーター。自身の武器であるスピードを磨くために取り組んだインターバルトレーニングを紹介する記事の中で、スピードを上げることで得られる身体感覚に言及した。
まず、インターバルトレーニングの仕方の前提としましては、練習の総距離(ジョグでつないだ分を除く)を2000m〜5000mにおさえます。
私の場合、400mを12本というのをよくやります。こうすると合計は4800mになります。疾走時のスピードを決定する方法ですが、私は、5000mレースを13分28秒(ほぼベスト)で走るペースを基準としています。これを平均すると、400mを約65秒で走ることになります。そして、その間できる限り短い休息をジョグでとります。私は、シーズン初めはスピード走の間を400mのジョグでつなぎ、シーズンの終わり頃には100mのジョグに縮めることができるようになっています。
一般のランナーの方で、条件や体調がよいなら、一度400mを6〜8本走るインターバルトレーニングを試みることをお勧めします。そして休息のためのジョグは同じ距離で、ゆっくり時間をかけてください。
インターバルでは肉体を過酷なまでに極限に追い込むため、翌日は必ず肉体を回復させる時間を設けなければいけません。瀬古、宗兄弟、中山らの各選手も、ハードな日ばかりを連続することは決してしないはずです。
レースが近づくと、インターバルトレーニングをスケジュールにどう組み込むかということが重要なポイントになります。
例えば、通常インターバルトレーニングを週2回行っていて、土曜日や日曜日に大切なレースがある場合、そのレースのある週のインターバルトレーニングは、火曜日または水曜日の1回だけにします。あなたがインターバルトレーニングを通常400mを6〜8本行っている場合だったなら、レース前のそれは、例えば1200m+800m+400m+200mというように、異なった組み合わせで走ることをお勧めします。これによって、あなたの肉体が、レースが近づいてきていること(何かがいつもと違うな)を感じて準備に入るのです。
あなたが頭で考えるより、あなたの肉体は、あなた自身のことをよく知っていますし、教えてくれます。
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保坂好久
1949年生まれ。36歳で走り始め、2009年の別府大分マラソンで2時間36分30秒をマークし60歳以上の世界新記録(当時)を樹立
「坂道インターバルを毎日繰り返す」という型破りな独自のトレーニング法で60歳で2時間36分30秒の年齢別世界最高記録(当時)をマークした保坂好久さんは、レースで走ろうとしているスピードを少なくとも1日1回出しておくことが重要だと語った。
「世界記録を出すためには、キロ3分30秒のペースで走り続けなきゃならない。そのためには、まずはスピードに身体を慣らさなければいけないと思った」と保坂さん。そして若い頃に行っていたインターバルをメインに据えたトレーニングを再開することにしたという。
ウォーミングアップなども含めると1日の走行距離は合計30㎞以上。これだけの量と質の練習を毎日欠かさず繰り返す。一方で、LSDやロングのペース走などは一切やらない。日によって緩急をつけることも、休養日を設けることも一切ない。「このトレーニングの一番重要なところはね、毎日欠かさず同じことをやることなんだよ。1日だけだったらなんてことはない練習なんだけど、3日、4日と続けていくうちに、どんどんキツくなってくる。どっぷり疲労がたまった身体にムチ打ってキロ3分30秒のインターバルをやるキツさはハンパじゃないよ。レース本番の35㎞、40㎞地点でのキツさと肉体的にも精神的にも同じなんだ」
故障予防の考え方も極めて独創的だ。「故障しないための一番の秘訣は練習メニューを変えないこと。毎日規則正しく生活して、判で押したように同じ練習をすることで、体調の良し悪しが把握できる。ヘタにメリハリなんてつけると故障の元だと思うよ。同じことをやっていても、痛みが出る箇所は毎日違うもんなんだ」
型破りではあるが、決して無茶をしているわけではない。「インターバルっていっても、昔とスピードは全然違うよ。昔はキロ2分40秒ペースでガンガン走ってたけど、今は一番速い時でもキロ3分10秒を超えるぐらい。まあ、レースで走ろうとしているスピードを、少なくとも1日1回出しておけばいいかな、ぐらいの感覚だから。それと、ウォーミングアップは確実に増えた。夜錬のインターバルの前には、600mの周回路を20周、キロ7〜8分で必ず走ってる。えらく時間がかかるけど、そのくらいウォーミングアップをじっくりやって身体を慣らさないと、安全にインターバルができない。そこは、若い頃とは違うところだよね」
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