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プレイバックランナーズSince1976「継続できるスピード走」を提案し続けた本誌50年の原点は‥‥‥「市民ランナーはとかくインターバルが嫌いだ」(1989年9月号)③

2026年5月01日

私のスピード走理論
藤原新(2019年4月号)

「高地でダッシュを10〜20 本繰り返すとミトコンドリアに刺激が入る」

藤原新
1981年生まれ。拓殖大学からJR東日本に進んだ後、プロランナーとして独立。2012年東京マラソンで2時間7分48秒で2位となり、ロンドン五輪に出場。現在はスズキアスリートクラブ男子マラソン監督


独自の視点からマラソントレーニングを追求する藤原新さんは、筑波大学の鍋倉賢治先生と「マラソン練習におけるスピード走の重要性」について語り合った。

鍋倉 藤原さんはマラソンの練習でもスピード走を重視しているそうですね。

藤原 はい。2008年に当時大阪医科大学教授だった古谷栄助先生のスピード走の重要性を示す論文をネットで見て、メールで質問をしたところ「ミトコンドリアを活性化させるためには高強度トレーニングが必要」と教わりました。当時、中国の昆明で合宿している時には1分間ダッシュを4、5本行っていました。最近合宿に行くケニアでも1分間ダッシュや2分間ダッシュを10〜20本繰り返す「ファルトレク」を行います。高地でこうしたトレーニングを行うのはキツイのですが、その分ミトコンドリアに刺激が入ると思っています。

鍋倉 市民ランナーの場合、まず42.195kmを走り切ることを考えますが、藤原さんのレベルだといかに速いペースを維持するかが重要ですから、非常に効果的だと思います。一方で、日本では昔から50㎞走や60㎞走などスタミナのための練習も伝統的にあります。超ロング走で体内のグリコーゲンを枯渇させることでもミトコンドリアは活性化するので、エネルギーを作り出す力が向上します。ただ、100km走や、月1
200㎞走ることのハードルは高いですね。

藤原 故障リスクもありますからね。瀬古(利彦)さんが行っていた超ロング走はリディアード理論をベースにしているもの ですから、坂ダッシュなどで筋力強化のための練習もセットに していたと思います。

鍋倉 以前、喜多秀喜さんに現役時代に行っていたトレーニングを聞いたことがあります。喜多さんも 60 ㎞や 70 ㎞をゆっくり走るということをしていたので すが、その途中にダッシュを何 本も入れていたそうです。

藤原 私も瀬古さんに「マラソンのトレーニングで必要なのはスピードですか?スタミナですか?」と聞いたら「両方だよ!」と言われました(笑)。スピード走の効果に戻ると、マラソンを走るときにきついペースだとグリコーゲンを使ってしまい、エネルギー切れにつながります。スピード走で最大酸素摂 取量を上げて、同じペースでも 「脂肪をエネルギーにする割合を上げる」ことが重要だと考えています。

鍋倉 私も市民ランナー向けの講座で800mを全力で走るメ ニューを組むことがあります。 スピード走は筋力向上や神経活 性化、脂肪をエネルギーにしやすくなる、など多くの効果が期待でき、フルマラソンの記録向上につながります。


スピード走INDEX

本誌で過去紹介したスピード走から厳選してジャンル別に紹介します。
※メニュー名の後の★はレベル 
★初級 ★★中級 ★★★上級 
※指導者の所属・肩書きは掲載当時のもの


繰り返し系

●インターバル走
やり方
200m、400m、1000mなど一定の距離(または3分など一定の時間)を全力の
90%程度のスピードで疾走した上で、ジョギングまたは歩きで短い休息を入れ、不完全な回復の状態で次の疾走を行うことを繰り返す。

メニュー例
・200m×10〜15本★★
指導:山地啓司(富山大学教授)、有吉正博(東京学芸大学助教授)
掲載: 1989年9月号

・ヤッソ800(800m×10本)★★
※800mの設定タイムはフルマラソンの目標タイムが〇時間△分の場合、〇分△秒(フルの目標タイムが3時間30分の場合、800mの設定タイムは3分30秒)
掲載: 2009年4月号

・400m×12本★★★
※疾走区間は5000m走のレースペースが基準
指導: フランク・ショーター(ミュンヘン五輪金メダリスト)
掲載: 1985年8月号
・1000m×5本★★★
※疾走区間は全力の80〜90%のスピードで実施(このスピードでギリギリこなせる本数が5本)
指導: 半田佑之介(TsukubaStrides)
掲載: 2012年7月号


短距離〜中距離疾走

●50mダッシュ★
やり方
ジョギングの途中で50m程度ダッシュする。慣れてきたら、100m、200m……と距離を延ばしていく。
指導: 鍋倉賢治(筑波大学教授)、村戸雄輝(ボディクラフト湘南)
掲載: 2014年9月号

●1分間スピードラン★★
やり方
ジョギングの途中で約1分間、フルマラソンのレースペース以上のスピードにペースアップする
指導: 八田秀雄(東京大学教授)
掲載: 2011年3月号

●1㎞疾走★
やり方
1㎞コースを設定し、スピードを上げて走る。初めは普段のジョギングより速い程度でOK。慣れてきたら、普段のジョギングよりも30秒速く↓身体が限界に達するまで速く、とスピードを上げていく。
指導: 猪瀬祐輔
掲載: 2014年10月号

●5㎞走★★
やり方
5㎞コース(ノンストップで走り続けられるコース)を設定し、思い切り走る。
指導: 中田崇志(マラソン完走クラブ)
掲載: 2014年11月号


部分的スピードアップ

●スピードプレイ★★
やり方
3㎞―2㎞―1㎞で行う場合、ジョギングで少し身体が温まってきたところで全力の
60%程度で3㎞を走り、ジョギングでつなぎ、次は70%程度で2㎞を走り、さらにジョギングでつないで80%で1㎞を走って終える。距離でなく20分、15分、10
分と時間を単位にしてもよい。
指導: 佐々木功(東洋大学陸上競技部長距離監督)
掲載: 1979年6月号

●変化走★★
やり方
一定の距離(多くは10㎞前後)を、ペースを上げ下げしながら走る。その中で、フルマラソンのレースペースより速いスピードで走る区間を設ける。

●コントロールラン★★
やり方
変則的なビルドアップ走。たとえば8000mで行う場合、スタートから4000mまで徐々に上げていき、4000〜5000mで一度ペースダウン。その後再びペースアップし、最後の1000mだけフルマラソンのレースペースより速いスピードまで上げ
る。
指導: 佐藤光子(大阪教育大学講師)
掲載: 2001年5月号

●10㎞ビルドアップ走★★
やり方
ゆっくりペースから入り、徐々にペースアップしていく(例:3㎞まで(5分0秒)3〜6㎞(4分40秒)↓6〜9㎞(4分20秒)↓9〜10㎞(4分0秒))。確実にビルドアップできるペースを設定すること
指導: 高尾憲司(Blooming代表)
掲載: 2006年8月号

●ウエーブ・テンポ走★★★
やり方
1㎞+900mを2〜5セット行う。1㎞(ハード区間)は5〜10㎞レースペース、900m(リカバリー区間)はマラソンペースで走る。
指導: イゾベル・バット・ドイル(東京五輪オーストラリア代表)
掲載: 2023年6月号


起伏利用

●上り坂ヒルダッシュ★★
やり方
100〜300m程度の上り坂を、全力の8〜9割の力でダッシュ。ゆっくり下ってスタート地点に戻り、これを10回繰り返す。上級者は600〜1000mを3〜5回。
掲載: 1997年7月号
指導: 鈴木彰(関東学園大学陸上競技部監督)

●下り坂スピードアップ走★
やり方
50〜100m程度の下り坂を「気持ち良い」と感じられる程度のスピードで走る。股関節が広がり、ピッチが速くなるのを感じながら行う。
掲載: 2018年7月号
指導: 沖和彦(沖ランニングクラブ代表)





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