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本誌50年分で振り返る「走る女性の挑戦史」⑤

2026年4月01日

「誰がみても美しい走り 最高の喜び『歓走』を表現したい」
松田千枝(2002年1月号)


27歳の時に走り始め、東京国際女子マラソンでは第1回から第30回までに27回の最多出場を誇る松田千枝さん(78歳)。1985年の同大会では2時間36分38秒の自己ベストをマークしている。故障をキッカケに、器械体操や日本舞踊の専門家に師事し、「走りの美」を追求。その後、「歓走」が走りのテーマになったことを本誌の増田明美さんとの対談で語った。

まつだ・ちえ
1948年生まれ。27歳の時、市民ランナーの夫の影響で走り始める。31歳から56歳までサブスリーを達成。東京国際女子マラソンには、第1回から第30回までに27回の最多出場を誇る。フル2時間36分38秒(1985年東京国際女子)




増田 今年の東京国際女子マラソンは、何を表現しようとお考えなんですか。

松田 最高の喜びを表現して走ったら、美的でもあるし、誰が見ても、心地良いし、共感していただける。見ているほうも楽しくなる。苦しい顔で走っていると、「辛そうだな」、「かわいそうだな」とおっしゃる人もいます。
だけど、本当に喜んで、最高にうれしいという気持ちで走ったら、見ている人も同じ気持ちになるのではないかと思ったんです。だから、走りの美は「喜びの表現」ということで、歓喜の歓という字をとって「歓走」を目標にしたいと思います。
でも、ただうれしい、楽しいは、最高の喜びではないんですよね。苦しいことを乗り越えているからこそ、喜びを強く感じられます。

増田 それは絶対にそうですよね。

松田 年齢を重ねると、どうしても歳には勝てませんから、以前のように走れなくなる。そうすると走ることをやめてしまう人も多いんです。でも「走り」にはまだまだ、もっと奥があって、もっと幅があるということを知っていただきたい。私がここまでやってきたのは、そういう世界を皆さんに広げていってほしいからなんです。
トレーニングを重ねた動きのしなやかさや、スピードは出なくても、無駄のない動きの走り。スランプや子育て、いろいろなものを乗り越えた時に出てくる強さなど、歳を重ねた走りの魅力を自分が表現することで、多くの人にそれを感じてもらえれば、「私もやってみよう」という気持ちになると思うんです。「歳をとっても輝いていたい」と、大勢の方が思ったら素晴らしいでしょう。





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