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本誌50年分で振り返る「走る女性の挑戦史」③

2026年4月01日

女性ランナー挑戦史

「日本の女性ランナーに呼びかけたい
男性に負けずマラソン日本を再建しよう」
ゴーマン美智子(1976年1月号)


1973年に2時間46分36秒を記録し、38歳で当時の女子マラソン世界最高記録を更新したゴーマン美智子さん。その後、ボストンマラソンとニューヨーク・シティマラソンでは2回ずつ優勝。本誌では日本の女性ランナーにマラソン日本を再建しようと奮起を促した。

ゴーマン・美智子
1935年に中国で生まれ、東京で育ち、20代後半に渡米。1973年、女子の公認マラソン世界最高となる2時間46分36秒を記録。1974年・77年ボストンマラソン、1976・77年ニューヨーク・シティマラソン優勝。フル2時間39分11秒(1976年ニューヨークシティ)。2015年没




なぜ走るのかという質問を私はよく受ける。走る動機や理由は種々あるが、最も大きな理由の一つに女性ランナーのプロモーションの夢がある。
1974年のボストンマラソン優勝の後、私はアメリカ各地の女性から数々の手紙をもらった。私は彼女達、ことに中年女性のインスピレーションだというのである。これはもちろん私の年齢やバックグラウンドから来るものであるが、私のニュースはだいぶ話題になったらしい。
というのは、ボストンマラソンより1年前、73年の暮に私はそれまで過去2年間保たれた女子マラソンの記録を更新した。私のことが各地の新聞に紹介された。体格も極めて小さいこと、年齢が38歳ということ、トレーニングに1日平均20マイル(約32km)走ったことなど。

このことは若い女性ランナー達にはショックだったとみえ、皆こぞってトレーニングの距離を延ばしたらしく、その成果が半年後あたりから続々と見え始めたのである。まず西ドイツのクリスタ(※1)が世界記録を破って以来、それは次々と更新され、1年と少しの間に6回もその世界記録は縮められていった。勢いのある新人ランナーも増え、現在ではどのマラソンでも女性の部門が設けられている。

年齢も8歳から60代までと幅広くその記録も10代の初めで3時間を切る人すら出てきている(ちなみにマラソンとは、26マイル385ヤード=42.195kmの距離のみを指し、長距離一般をマラソンとは呼んでいない)。おそらく現在はアメリカが最も盛んで、次いで西ドイツ、フランスと続いている模様である。

私はレースに参加している若い人達に接するたびに日本の女性ランナーの現状を想い浮かべる。女子の国際選手権大会も昨年から設けられ、1980年のオリンピックにはいよいよ女子の部門もとり入れられるという(※2)。

私は日本の若い女性ランナーの方達に呼びかけたい。男性諸氏に負けずマラソン日本を再建しようではありませんか。

※1 クリスタ・ファーレンジーク。当時の女子マラソン世界最高記録保持者で世界記録を二度更新した。2時間40分15秒8(1975年デュルメン・西ドイツ)、2時間34分47秒5(1977年ベルリン・西ドイツ)
※2 女子マラソンがオリンピックの正式種目となったのは1984年から





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