私が夜ランを愛するワケ
夜ラン派のランナーになぜ夜走るのか聞いた。
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日が落ちるにつれて、アスファルトの熱が冷めていく。その気配を感じながら走り出す。
もちろん、夜でも汗はじっとりと出る。しかし、昼間の暴力的な暑さはもう薄れている。熱の名残はむしろ心地いい。そして、少しずつ冷めていくアスファルトに、一日がまた終わろうとしていることを実感する。夏のこの時間帯が好きだ。
昼間にクーラーの効いた部屋で仕事をしていると、身体が冷えてしまう。そのこわばった身体を夜ランが解放してくれる。仕事を終えてネクタイを緩め、ビアガーデンで生ビールを飲むようなものだ。疲れた頭が少しずつほぐれていく。身体と心、どちらもリラックスできる。
あえて真夏の日中に走っていたこともある。暑ければ暑いほど負荷を高められると考え、日中インターバル走に打ち込んだ。走る度にぐったりしていき、食事が喉を通らなくなった。そして、わずか2週間ほどで継続できなくなってしまった。思い返すと当時は暑さで思考がどうかしていたのかもしれない。
そうして夜型になったのだが、正直にいうと朝も走る。ただしそれは、軽いジョグだけ。
寝起きにペースを上げるのはキツいし、極端に早起きして身体を起こそうとすると寝不足になる。朝はゆったりしたいから、ジョグに限るという結論に至った。
その点、夜は違う。仕事や予定を終えた後だから、時間に追われなくて済む。試験勉強と同じで、夜の静けさに身を置いた方が集中力を高められる気がする。走りながら身体と対話しやすく、ペース管理もしやすい。
夜の方が高いパフォーマンスを発揮できるとも言われるが、そうしたデータを抜きにしても、夏のランニングは夜に限る。
「夏は夜」と『枕草子』で清少納言が記したように、夏という季節のよさは、夜にこそ宿っている気がする。平安の昔のように、ホタルが飛び交うことはないけれど、汗だくになって走った先で見つける自販機の明かりが妙にうれしい。
そして、暑さが厳しくなった今だからこそ、夜の涼しさはいっそうありがたく感じられる。1000年を経ても、夏はやはり夜がいい。
文/若岡拓也 わかおか・たくや(42歳)金沢市出身のライター、会社員、ウルトラランナー。2014年の北國新聞社退社後に走り始め、同年のブラジル・ジャングルマラソン(250㎞)で3位に。昨年は震災復興を祈念した企画「ソロ能登駅伝」340㎞を3日で完走した。
学生時代は朝に走っていましたが、医師になってからは夜の帰宅ランが練習の中心です。夜10時ごろから10~15㎞走ることが多く、もちろん夏場もこの時間に走っています。夏の夜ランは気温が低いことはもちろん、日差しがないので紫外線によるダメージを受けません。また、朝は身体がやや脱水気味なのに対し、夜は水分を蓄えているので主観的にも楽に感じます。そして、体温が高く身体が動きやすいのでスタート時から速めのペースで走ることができます。今は学生時代より練習量が減ったのですが、ジョグのペースが速くなったこともあり、フルを2 時間20 分切りのタイムで走ることができています。
仕事で凝った筋肉や頭をほぐしながら走れるのもいいですね。汗をかき、帰宅後に湯船につかれば、気持ちよく眠れます。
土橋晋也さん(35歳・自己ベスト2時間19分の走る医師)
日差しを避けるため夜7時頃から走ります。暗いのでライトは必須。終わった後すぐにお風呂に入れてスッキリしますし、ビールがおいしい!
岡田義浩さん(54歳・3時間28分2秒)
夕食を食べた後にジムのトレッドミルで走っています。メニューはジョグか12~15㎞ペース走、ビルドアップ走。疲れて帰宅するとお酒がおいしく、グッスリ眠れます。
西畑庸介さん(46歳・2時間39分16秒)
日が沈んで涼しくなる夜8時頃から走っています。走っている最中は何も考えないので無心になり、その日の仕事のストレスを次の日に持ち越しません。
中島卓彦さん(54歳・5時間40分0秒)
少しでも気温が下がる夜に走ります。走る前の夕食は腹八分目にするので体重が増えにくく、走った疲労で睡眠の質が上がったと感じます。
竹田賢治さん(61歳・3時間7分41秒)
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