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2万人が85km以上を駆け抜ける! 世界最大最古のウルトラマラソン コムラッズマラソン③

2026年7月01日

元駐在員ランナーが綴る
「一度走ると『中毒』になる」Comrades Marathon Addiction
松島義臣さん(66歳・愛知)


今年のレースでグリーンナンバー(10回完走)にリーチをかけながら、12分オーバーしてしまった松島義臣さん。自動車部品メーカーの駐在員時代を含めてこれまで15回コムラッズに参加。「中毒ランナー」を生み出す魅力を綴りました。

南アフリカにはComradesMarathon Addiction(コムラッズマラソン中毒)という言葉があります。コムラッズマラソンが持つ、抗いがたい強烈な魅力を表す言葉です。起伏に富んだ大地を舞台に、86〜90kmに及ぶ過酷なコースを走ったランナーたちは、そのあまりの厳しさに「もう二度と走るまい」と思いながらも、結局はまたこの大会に戻ってきてしまうのです。

私が初めて南アフリカのダーバンで、世界最古かつ最大規模のウルトラマラソン、コムラッズマラソンを走ったのは、サッカーのワールドカップが同国で開催された2010年でした。09年に仕事でダーバンに赴任した私は、会社の工場で働く若い黒人ランナーから強引に誘われ、フルマラソンさえ走ったこともないのに、翌年一緒に参加することになりました。

初めて走ったコムラッズマラソンは下りの89kmでしたが、果てしなく続くアップダウンに苦しめられ、20kmも行かないうちに、参加したことを後悔しました。一方で、沿道の途切れなく続く熱狂的な人々の声援が、何度も挫折しかけた私の心や身体を強く後押ししてくれました。

またBUSと呼ばれる、タンバリンを鳴らしながら掛け声をかけて集団をリ―ドするペースメーカーや、周りのランナーからの励ましが、私を最後まで引っ張ってくれました。フィニッシュのスタジアムに入り観客の大歓声を聞いた時には、まるでスターになった気分になりました。観客やランナーとの並外れた強い一体感は、コムラッズマラソンの最大の魅力です。

この時から私は明らかなコムラッズマラソン中毒になり、更には、より多くの会社の仲間たちや日本人に、この魅力を知ってもらいたいと思うようになりました。

当時の南アフリカは、まだ貧富の格差も大きく、工場の黒人の一番足が速い若者はいつも裸足で走っていました。私はコムラッズに出場する従業員に、ランニングシューズの補助金を5000円出すことにしました。拒む彼を同僚のランナーに説得してもらい、シューズをはかせて走らせたところ、11年のコムラッズを7時間で走り、社内で一番になりました。すると翌年彼は豹変し「より速いタイムを出すには、1万円以上のシューズが必要」と補助金アップを要求し、笑わせてくれました。こうして社内の若者を巻き込んでいき、10年には3人だった参加者は徐々に増え、私が帰任した14年には、全社で30人が参加するまでになりました。

初完走から16年、日本に戻ってからも、コロナで中止になった2回を除いて、毎年コムラッズに参加してきました。これまで完走9回、グリーンナンバーにリーチをかけながら12分届かなかった今年を含めてDNFが6回。南アフリカには何十回も完走している、凄いコムラッズマラソン中毒がたくさんいますが、他国にも私のような中毒ランナーが多くいます。

来年2027年6月13日は、コムラッズマラソン第100回となる記念大会が開催されます。ピーターマリッツバーグからダーバンへの下りの90kmで、制限時間は12時間です。ぜひ多くの日本人ランナーの方々にご参加頂き、あの感動を経験して頂きたいと思っています。







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