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読むと朝ランを始めたくなる!?朝ランのビジネスへの好影響を実感する先輩ランナーによる体験談を紹介。
私は朝走ります。なぜなら夜は毎日、会食があるから(笑)。いつも英語を聞きながら走るのですが、実は全く頭に入らず、何も考えていないということもあります。ただ、それでいいと思っています。そんな時は、視界だけで何かを感じ取っているようで、頭がスッキリします。アップル創業者のスティーブ・ジョブズ氏は毎朝瞑想をしていたといいますが、多忙なビジネスパーソンにとって、1日の中で「何も考えない状況」を作ることはすごく難しい。だからこそ、朝に1回走って頭を空っぽにすることは、瞑想のような効用があると思っています。
一方で、ゆっくりと走りながらプロジェクトや課題、ミーティングで何を話すかなどについて考えることもあります。誰かに話しかけられることもないので、雑念が入らず、自分の中で反芻しながら整理ができます。これはこれで、朝を過ごす上で非常に有効です。
何も考えずにリフレッシュするか、ゆっくり考えながら走るか。いずれも、一日をスタートする上で、頭を整理できます。朝忙しい中で時間を作って走ると、「今日は朝からちゃんと頑張った」という感覚になり、いい一日を過ごせそうだという気分にもなります。この気分の差は、その後の一日のパフォーマンスにも大きく影響することを感じています。
ビジネスとランの相乗効果という点では、各地のレースに出ることが役立っています。47都道府県の大会参加を目標にしているのですが(現在27)、走ることを通じて各地の風土、特徴を知ることができますし、個人であれ会社であれ、お互いの関係を円滑にするツールとして、すごく有意義だと思っています。
当社には全国投資セミナーがあったり、地方の銀行との連携があったりしますが、皆さん私が走っていることを知っているので、「あの大会どうでした?」「今朝は走ったの?」などの会話がアイスブレイクになって、自然と心の距離も縮まります。
国内でも国外でも、出張の際は本来持っていきたい服を諦めてでも、シューズとウエアを必ず持参します。それに洗濯板と洗剤。少しでも荷物を減らすためにせっせと手洗いするんです。洗濯板があると泡立ちが全然違うんですよ。
以前、ロンドン出張で海外の投資家とお会いした際に「テムズ川は走った?」と聞かれたこともあります。海外の実業家にもランナーは多く、最近走ったレースが話題になるなど、海の向こうでも人間関係を築くための入り口になってくれています。
実は、私にとってランニングは趣味、嗜好ではありません。お酒は大好きなんですけど(笑)、ランニングは好きなものではなく、やると決めていること。どちらかといえば仕事に近いかもしれません。「この日は走る」と決めることが、私には継続するコツです。決めたらやるという強い心を持つことは、仕事でも諦めないマインドに結びついていると思います。
弊社には青森の八戸オフィスがあるのですが、昨年5月には当地でのレースにオフィスのメンバー8人で出場しました。それが今年は10人以上になりそうです。飲み会だと仕事の延長になりがちですが、走るという共通体験を通じた人の輪の広がりは、上下関係のない「同じ釜の飯」状態。オフィスの外で、チームビルディングができるのって素敵じゃないですか。ランニングが人間関係の潤滑油になって、いつかどこかでビジネスにつながると信じています。
・朝の達成感を大切にする:「頑張った」感覚を味わいながら一日をスタートさせる
・仕事への効用を実感する:静かな朝に頭を整理してパフォーマンスを高める
・どこでも走れる準備をする:出張先には必ずウエアとシューズを持参する
・コミュニケーションに活かす:ビジネスでの話題作りや仲間との交流に活用
・大会に申し込む:目標から逆算し「この日は走る」と仕事のように予定を入れる
Q.朝でも夕方でも同じ「走る」なのに、朝の方が爽快なのはなぜ?
A.朝ランの気持ち良さは「朝日」と「セロトニン」にあり
走った後の爽快感やトレーニング効果は、朝でも夜でも変わりません。でも、私たちランナーは「感覚的に」朝ランのほうが気持ち良いことを知っています。脳科学の見地からその理由を考えてみます。一日における生物の活動リズムを「サーカディアンリズム」と言い、つまり体内時計です。私たちは1日24時間周期で社会生活を営んでいますが、この体内時計の周期は約25時間。その周期のズレをリセットするのに欠かせないのが「朝日」と「セロトニン」です。起床すると脳内にセロトニンやノルアドレナリンといった「気分系」の脳内物質が働いて覚醒のサイクルに入ります。朝日を浴びるとこのセロトニンの分泌はさらに増えて、気分をマイルドに底上げし、安定させます。そしてこのセロトニンは軽度の運動でも分泌が増えることが分かっています。ちなみにこの「気分系」の物質が足りなくなるのが「うつ病」ですが、朝日を浴びることや、軽度の運動をすることが実際の治療法としても行われる理由は、このセロトニンの分泌を増やすためなのです。つまり、朝日を浴びてゆっくり走れば、脳の「安定したいい状態」がつくられて、「気持ち良い」と感じるわけです。
解説:泰羅雅登(脳科学者・ウルトラランナー)
(2013年5月号より抜粋・編集)
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