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一流ビジネスパーソンはなぜ朝走るのか?

2026年3月01日

毎朝3時起床、走りながら「年200冊」を読破
池水雄一さん(一般社団法人日本貴金属マーケット協会代表理事貴金属スペシャリスト)

朝のビルドアップ走で、パフォーマンスをピークにする

毎朝3時に起床の朝ランを始めてから、15年が経ちます。2014年12月14日以降は、コロナ禍も含めてどんな状況でも走り続け、一日も欠かしたことはありません。なぜ早朝3時なのか。一番の理由は「一日の中で唯一ノイズがない、自分だけの真っ白な時間」だからです。日中は目まぐるしく移り変わる市場の動向をチェックしていますし、それに伴う対応や問い合わせが尽きません。でも早朝は、さすがに電話してくる人もいない。誰にも何にも妨げられない時間です。

現在のタイムスケジュールは、3時起床後にニューヨーク市場をチェックし、大きな動きがあればSNSで「こんなことでゴールドが買われている」みたいな発信をしてから走りに出かけます。6時半に戻ってシャワーを浴び、7時からは毎朝配信しているマーケットレポートの執筆に取りかかる、これが基本パターンです。走る速度はキロ6〜7分ですが、ラスト1㎞くらいは息が上がる程度までペースを上げて終わるようにしています。ラストを上げて終わることでアドレナリンが出て、執筆の時間帯でのパフォーマンスを最高潮に持っていけます。基本的に、重要なアウトプットはすべて午前中に終わらせています。午後はもう流すだけという感覚ですね。


「大人になって本が読めなくなった」を解決

最近は、走りながらオーディオブックを聴くようになりました。聴き放題プランのため年間200〜300冊レベルで聴いています。レアメタルの話から、イノベーション理論、中東情勢、ChatGPT、ビジネス書、歴史教養書まで、本当に何でもありです。大人になって「仕事に関係のない本が読めなくなった」という声を聞くことが多いですが、オーディオブックなら運動しながら知識もインプットできる。毎朝2時間以上の読書をしているということですから、こんなに理想的な時間の使い方はありません。この時間帯は人も自転車もいないので、周りもすごく静かで、自分だけの世界で聴きながら走っている。インプットの効率もすごくいい。社会人ランナーにとっては“革命的”とすら感じています。
毎日同じ時間に、同じコースを走ることで、四季の移り変わりを肌で感じられるのも素晴らしいところです。毎朝起きたらまず気温をチェックして、どんな格好で行くかを決めることが日課。「今日は肌寒いな」「ムシムシするな」など、自然と環境の変化を察知する感覚が磨かれていると思いますし、マーケットの変化を察知する感覚にもつながっていると感じています。


人生が変わる朝ランの習慣を体験してほしい

大学受験の時、眠い状態で勉強をするのが嫌だったので、帰宅後すぐの20時ごろには寝て、24時頃に起きて勉強していました。以来、朝型人間です。朝に走ることは習慣になってしまえば、歯磨きと同じようにやらない方が気持ち悪くなります。とはいえ、忍耐根性でやっているわけではありません。夜の会食で帰宅が遅くなったら、走り終える時間だけ決めておいて、起きる時間を少しずらして距離を減らすなどで調整しています。

習慣化のポイントは、「1日の中で仕事が一番はかどるのはいつか」「自然と眠くなるのは何時頃か」など、自分が朝型か夜型かを見極めること。もし朝型の傾向があるなら、少しずつ早起きしてみる価値はあると思います。
「ノイズがない真っ白な時間」は、体験してみないと分からない。運動とインプットを同時にできる時間の有効活用も含めて、人生が変わりますよ。


池水さんに学ぶ「朝ラン習慣化のコツ」

・自分のタイプを把握する:朝型か夜型かを知ってから始める
・息を弾ませて終わる:テンションを上げ午前中の生産性UPを実感する
・走りながら勉強する:オーディオブックで運動と学習を両立させる
・走り終わる時間だけ決める:就寝が遅くなったら睡眠時間確保を優先する
・季節の変化を味わう:四季折々の気候の変化を愉しむ


解説

Q.朝ランをすると身体の中では何が起きる?
A.心身が活動するための「覚醒のスイッチ」がいっせいにオンになる


人間の体内時計は、睡眠のリズムやそれに伴う体温調節、ホルモン分泌や自律神経の働きなどによってコントロールされています。例えば体温は、睡眠中は低くなり、起床すると徐々に上がっていき、午後2時から夕方にかけて最も高く、そこから下がっていくことで活動のリズムを作ります。不規則な生活などで体内時計が狂うと、活動すべき時間に体温や血圧が上昇せず、脳の働きも鈍くなります。朝ランニングをして、朝の日差しを浴びると、睡眠を促進するホルモンであるメラトニンの分泌がリセットされ、さらに、運動による負荷で覚醒の促進ホルモンであるアドレナリンの分泌が促進、血圧と体温の上昇が促され、身体を目覚めさせます。血流が良くなり、基礎代謝も上がり、心身が活動するための「覚醒のスイッチ」がいっせいにオンとなるのです。習慣化されることで、1日の早い段階で覚醒のレベルが高くなるため、その後の活動の質が上がります。仕事など生活全般でスタートダッシュができるようになり、生産性が高まります(早朝は気温が低くひんやりとしているため、身体は体温を上げて適応しようとします。アドレナリンが出やすい時間帯でもあるのです)。

解説:岡野裕(スポーツドクター・ランナー)
(2013年5月号より抜粋・編集)





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