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プレイバックランナーズ サブスリー達成法②

2026年3月01日

(誌面情報:RUNNERS 2026年5月号より/ プレイバックランナーズ サブスリー達成法)

喜多道場入門記事

私のサブスリー論
喜多秀喜(1993年5月〜94年4月号)


「マラソンのスピードとは10 ㎞やハーフの速さサブスリーにはそのための練習が必須」

モスクワ五輪幻の代表で、引退後も走り続け60代でもサブスリーを維持した喜多秀喜さん。1993年の連載では、「スピードの大切さ」と「いかに家庭生活と競技を両立するか」ということを訴えた。

オリンピック選手であろうが、市民ランナーであろうが、タイムに対する挑戦は皆さん同じです。そこで皆さんも第一に、目標を明確に持つことが大切です。「人は目標があれば、そこへ行く」という諺があるように、想定するレースでサブスリー達成という大目標を持つようにしましょう。年間スケジュールをたて、ロードレースに積極的に参加して、月々のトレーニングの進歩具合をしっかりと見極めながら進めましょう。


持久力は日々の継続で養成される

私は市民ランナーの場合はトレーニング量(走行距離)だけでは目標とするサブスリーを達成することは不可能だと考えています。マラソンにはスピードとスタミナのバランスが大切になります。では、マラソンのスピードは何かというと、基本的には10㎞からハーフぐらいの距離を、いかに速く走るかをポイントとしてとらえるのがよいと思います。サブスリーが目標の場合、4分ペースで15〜20㎞走れないと、現実的にはかなりきつくなります。また、そのためには10㎞を37〜38分で走る必要があります。スタミナは距離を踏むことによって自然に身につきますが、スピードを出すということは、きちんとそのための練習を組み込んでいかないとできません。

また、スタミナ養成のための走り込みをする際は、是非アップダウンのコースでも距離を踏んでください。足首や大腿四頭筋の強化になります。持久力とは年間を通して日々の継続によって養成されるものです。あくまでも長期的な計画のもとで、自分の走力を見極めた上での走り込みをお勧めします。

最後に、市民ランナーの皆さんは、趣味として、健康のために走るのが基本です。家族サービスの時間を確保するなど自分自身が走ることによって、逆に人間関係が円満にいくようなランニングとの付き合い方をしてほしいと思います。自分だけの満足のために走るようでは、本当の意味では長続きしないと思います。


角田進の市民流マラソン講座記事

私のサブスリー理論
角田進(1994年5月〜95年4月号)


「今感じている限界はスタート地点 可能性は無限に広がっている」

市民ランナーとして、今より出場資格が厳しかった福岡国際マラソンに18回連続出場し、ランナーズ賞も受賞した角田進さん。サブスリーに必要な要素を「自分で限界だと思いこまないこと」と語っている。

マラソンに必要なものは、スピードとスタミナです。私はどちらかといえば、スピードを重視しています。たとえば100㎞以上の長い距離を走れても、フルで3時間を切れない人はたくさんいます。しかし、5㎞を分で走れる人は40㎞以上の練習をしていなくても3時間あればフルマラソンを走れる可能性が非常に大きいのです。

故障や健康状態の悪化に気をつけてコンスタントに走り込むことも大切です。マラソンは長い期間練習を続けてきても、少々のサボりで走力は落ちてしまいます。逆に毎日5〜8㎞を自分のペースでコンスタントに走っている人ならば、フルマラソンで3時間30分〜4時間は出せる地力はあるはずです。


「もう駄目だ」という言葉は絶対に思い浮かべない

そして、サブスリーを目指す方々に伝えたいことは第一に、自分の能力の限界は自分で思っているよりかなり上にあるということです。それを信じて物事に取り組みましょう。私自身タイムトライアルをするたびに「目標タイムは無理だ」と思ってスタートしますが、たいていクリアしてきました。〝福岡国際〞のこともそうです。自分の能力から1回も出場できるはずがないと考えていたのが、回になったのです(※編集部注その後18回連続まで継続)。

第二に、「限界だ」と思ったときが本当のスタートであるということです。そこを乗り切り一段上に到達すれば、さらに上に達することが可能になるのです。特に、これからフルマラソン3時間を目指そうという皆さんにとって、自分が今限界に感じているタイムは、全くのスタート地点に過ぎず、可能性が無限といえるほど広がっているのです。〝もう駄目だ〞という言葉は絶対思い浮かべないことがポイントです。駄目でないものも駄目になってしまいます。練習さえすれば、限界は上へ上へと上がって行くのです。

最後に、サブスリーを達成するには練習計画が必要ですが、最も難しいことは、練習を行うために必要な時間を生み出すために失わざるを得ない時間(他の事柄のために必要な時間)をいかに考えるかです。やはりサラリーマンとして一家を支える仕事があり、愛すべき家族が自分を支えていてくれるからこそ、マラソンが生き甲斐として成り立つことを忘れてはいけません。


トレーニングの極意記事

私のサブスリー論
伊東輝雄(1996年5月〜97年4月号)


「サブスリーは第一にスピード 走行距離を増やすだけでは届かない」

京都産業大学を率いて全日本大学女子駅伝優勝などの実績を残した伊東輝雄さんは、1996年の連載に登場。「脱セオリー」をテーマに、「スピード」「筋トレ」「坂道走」の大切さを訴えた。

私はサブスリーに必要なのは第一にスピードだと考えています。ここでいうスピードとは1000m、2000mの持久的スピードのことです。スピードを身につけるのには限界がありますが、ある程度スピードを追う練習をしないことには記録は伸びていかないと思います。

なかなかサブスリーをできない人の中には、月間走行距離を稼いだといって満足している人が多いのではないでしょうか。ある程度のレベルまでなら、走行距離を増やしていくだけでも達成できるとは思いますが、サブスリーレベルになるとむしろ練習の質が問われるのです。30㎞走を行うのであれば、自分の持っている60〜70%のスピードで走らないと、本来の速い動きでのスタミナはつかないでしょう。そういう練習をするにはスピードをつけなければなりません。まずは持久的スピードをつけてからスタミナ練習に移る、というのが練習の基本です。


自分の環境に合わせてトレーニングを組み立てる

また、土台がしっかり作られていなければ、ものを高く積み上げることはできません。その土台を作るためには走り込みもさることながら、補強トレーニングで筋力アップも同時に図っていく必要があります。それは弱点を見極めて強化する補強トレーニングです。そして、坂を走ることもお勧めです。フォーム改善や筋力アップ、心肺機能強化などができますし、集中的に行うことで精神的にも強くなります。

大事なことは、自分のおかれている環境に合わせてトレーニングを組み立てることです。みんながやっているからとか、雑誌に書いてあったからではなく、自分なりに工夫をしなければいけません。強くなるポイントはそこにあると思います。

私たちが行っている坂道走にしても、近所に長い坂があるわけではないので、冬場はグランドのそばにある300mの短い坂道を使います。また、クロカンができない代わりにうちではグランドのまわりのアップダウンを8の字にぐるぐる回るというメニューを取り入れています。各人、勤務形態も違えば住んでいる場所も違うのです。どんな環境にあってもトレーニングはできるということを肝に銘じてステップアップを図りましょう。






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