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プレイバックランナーズ 100kmのゴールへ導くウルトラマラソン完走法②

2026年2月01日
阪本雄次さんバックナンバー誌面
阪本雄次さんバックナンバー誌面

【私のウルトラ論】坂本雄次「素質や高度な技術以上にランニングへの熱い心が完走の扉を開いてくれる」

(1992年5月〜93年4月号)

24時間テレビのマラソン企画を長年支え、1993年にランナーズ・ウェルネスを創業し日本各地にウルトラマラソン大会を創設した坂本雄次さんは「ウルトラ完走はだれにでも、決して夢ではない」と勇気づけた。

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ウルトラマラソンはフルマラソンを〝超えた距離〞からその名が呼ばれるようになったのかもしれません。あるいは超長距離を走り切る過程で走者自身が感じるさまざまなこと、例えば暑さや寒さ、苦痛や開放感、走りをサポートしてくれる人たちとの触れ合い、そして自分自身の身体が感じるさまざまな要素を〝超越〞することから生まれた言葉と言ってもいいでしょう。
〝超越〞なんて大それたことが自分にも可能なのかと思うかもしれませんが、ウルトラ完走はだれにでも、決して夢ではありません。むしろ、素質や高度な技術以上にランナーのみなさんの抱いているランニングへの熱い心、情熱が完走の扉を開いてくれることは、間違いありません。

ゴールへ向けて私を動かすもの
ウルトラでは距離が進むにしたがって、自分ひとりだけで走るという状況が続きます。こうなるとランナーの心理として、走る行為から残された距離への関心の方が大きくなっていきます。あと何㎞あるのか、脚が痛いといったことばかりが気になります。このあたりからウルトラランニングの本当の走りが始まります。なぜ走るのだろう、もう走りたくない。自分との葛藤の始まりです。
マメが走りのフォームを変え、筋肉は円滑な動きをしてくれなくなる。給食給水、身体の手入れすら落ち込んだ気持ちへの励ましにならないこともあります。では自分自身をゴールへ向けて動かすものは何でしょうか。
ひたすらゴールを目指すとき、サポートしてくれた人たちの顔が浮かび、ボランティアからの温かい励まし、自然や景色、仲間と交わした一言一言を思い出すことでしょう。そして、これらが辛さを凌ぐ無形の原動力となっていることに気づくでしょう。
このような心理的変化は、フルまでの距離や時間の中にも凝縮されていますが、時間や距離、身体に加わるダメージの大きさが相違点となるわけです。そして、ウルトラの持つ精神的な一面が、心理的変化や精神の浄化作用に色濃く現れ、多くのランナーを引きつける魅力にもなっているのでしょう。


 越智さんバックナンバー誌面
越智さんバックナンバー誌面

【私のウルトラ論】越智利国 「『壁』を感じない範囲のトレーニングに留まっていると、ウルトラ向きの身体になかなか変わらない」

(2008年4月号・2009年5月号・2011年4〜7月号)

サロマ湖100㎞ウルトラマラソンを1986年の初回から連続で完走し※、健康運動指導士、トレーナーとして指導を行う越智コーチは「トレーニングの中で壁を超えて走る経験を積んでおくことが大切」とアドバイスした。

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100㎞は「ごまかしのきかない」距離です。多くの人は、無意識のうちに身体の左右で筋力や柔軟性に差が生じており、特定の部位に偏った負荷をかけて走っています。ハーフやフルでは影響が出なくても、100㎞ではその些細なバランスの乱れが、レース終盤に大きな借金としてのしかかってきます。
人間の筋肉は20歳をピークに衰えていきます。レースペース以上で走る習慣がない人は、自力走の負荷のみでは筋力向上のみならず、維持も難しくなります。100㎞に挑戦するならなおさら、身体の使い方に合わせた準備を積極的に行うべき。筋トレ・ストレッチを取り入れて、身体の特定の部位(主に弱点)を意識的にフォローすることが重要です。筋トレ・ストレッチで身体をメンテナンスすることで、ランニングエコノミーも向上します。

身体を動かし続ける
走り込みでは、スピードを上げて走ることも、ペースを細かくチェックすることも必要ありません。ただし、立ち止まらないこと。筋肉の疲労は、信号待ちなどの数分の休憩でも、ある程度は回復してしまうからです。
ポイントは、フルのレース中に感じる「30㎞の壁」と同じように、身体や脚が重たくなり、次の1歩がなかなか出なくなる「壁」を感じること。この状態になってから、15〜20分、我慢して走ることが100㎞に向けたスタミナ作りになります。ペースは落としてもいいので、身体を動かし続けることでスタミナがついてきます。
逆に壁を感じない範囲のトレーニングに留まっていると、ウルトラ向きの身体になかなか変わりません。トレーニングを行う中で数回は壁を超えて走る経験を積んでおくとよいでしょう。
100㎞では、作戦として歩きを入れた方が好結果につながるケースがあります。脚にトラブルが起きてやむをえず歩きになってしまうケースも考えられます。こんなとき、ダラダラ歩くのとリズム良く歩くのでは、かなりの差が出てくるので、速く歩くトレーニングを取り入れておくことも有効です。






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