※本記事は『ランナーズ2026年4月号』掲載内容になります。
写真/軍記ひろし
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本誌過去50年の歩みを様々な切り口から振り返る連載。今回は「ウルトラマラソン完走法」。過去50年に掲載した中から厳選し、5人のコーチによる完走法を紹介します。「私のウルトラ論」を合わせてお読みください。
過去50年に掲載した中から、5人の100㎞完走法を一覧で紹介。共感したトレーニングを実践してみてください。
●本番4~3カ月前「土台づくり」
100㎞完走に向けた練習に耐えうる体力の土台をつくる
●本番3~1カ月前「走り込み・スタミナ強化」
100㎞完走に必要な脚力・スタミナ・精神力を養成する
●随時「エクササイズ・筋トレ」
走る練習と並行して、長時間のランニング・走行距離の増加を支える補完トレーニング(エクササイズ・筋トレ)やメンテナンスを行う
【指導】ウルトラマラソン第一人者・坂本雄次
(1992年5月~93年4月号)
【土台づくり】
日常練習に一味工夫
走る時間を20%プラス
目的:スピードを抑えて時間を延ばすランニングで日常の練習量を徐々に増やし、長時間走に耐えられる体力と精神力をつくる。
やり方:日々の練習時間を20%プラス、1㎞6~7分で走る。
【走り込み・スタミナ強化①】
土や砂地を走る変化走
目的:足裏に不均一な刺激を与える不整地ランで筋力を強化。練習の単調さをなくす。
やり方:山・海岸・土手・公園などアップダウンがあり、足場のあまり良くないコースで1㎞7~8分以上をかけて走る(80~180分)。
【走り込み・スタミナ強化②】
一日ランニング漬けになる
「走りの小旅行」
目的:日ごろの練習に変化をつける。
やり方:週末や連休の時などに、思い切って一日中ランニング漬けになってみる。デイバッグに簡単なエイドと着替えを詰め込んで「走りの小旅行」の感覚で。
【エクササイズ・筋トレ】
小石を利用して
腕振り強化
目的:走りながら腕振りを強化する。
やり方:起伏のあるコースで走る時、500g程度のウエイトを持って走る。形にとらわれなければ手頃な石を左右に持って走るので十分。
【指導】サロマ100㎞のレジェンド・越智利国
(2008年4月号・2009年5月号・2011年4~7月号)
【土台づくり】
一度の練習量を
週当たり5~10%増やす
目的:故障のリスクを抑えながら練習量を増やし、フルのレース時間以上動き続けられるリズムとペース、フォームを見つける。
やり方:週末2時間LSDから始めた場合、1週間に15分ずつ時間を延ばすのが目安。
【走り込み・スタミナ強化①】
15
分ジョグ→5分ウォークで
速く歩く練習
目的:速く歩くコツを掴み、100㎞終盤や起伏でのペースダウンを最小限に抑える。
やり方:15分ジョグ→5分ウォークを1セットとし、連続して繰り返す。ウォークはリズムを意識し、なるべく速く歩く。
【走り込み・スタミナ強化②】
レースペースの
4
~6時間走(5~6週間前)
目的:強化のために追い込める最後のタイミングで上限まで追い込み走力をワンランク上げる。
やり方:レースペースで4~6時間走を行う。ペースダウンしたら、そこから速歩き20~30分に切り替えてもOK。できるだけ止まらないこと。
【エクササイズ・筋トレ】
完走を占う
片脚立ちひざ曲げ
目的:完走に必要な筋力チェック。
やり方:片脚立ちでひざを90度曲げキープ、左右で行う。30秒キープできたら合格。
【指導】“非常識メソッド”提唱者・岩本能史
(2010年5月号)
【土台づくり】
週末の練習で
脂肪燃焼体質を構築
目的:体脂肪をエネルギーとして活用しながら走れる体質に改善する。
やり方:鼻呼吸ができるペースで週末ロング走(20㎞以上)を行う。または朝食前7~10時の朝ランを取り入れる。
【走り込み・スタミナ強化①】
下り坂走で
「ウルトラ省エネ走法」を体得
目的:ブレーキをかけない省エネフォームを身につける。
やり方:坂の長短に合わせ、トータル10㎞下る。1㎞下り×5往復(上りも含め10㎞)でも可。足裏全体で着地することを意識する。
【走り込み・スタミナ強化②】
心身の変化を知る
50
㎞走(4週間前)
目的:脚力強化と距離への耐性を養い、フル以上の距離を走ったときの心と身体の変化をつかんでおく。
やり方:レース4週間前に50㎞走る。とにかく走り切れればOK。休憩しながらでもよい。
【エクササイズ・筋トレ】
「小さな筋肉」を鍛える
フル後のウォーキング
目的:普段使っていない「小さな筋肉」も動員できるようにする。
やり方:フル翌日に2~3時間歩く(レースで疲労した状態を活用)。月火水で1時間ずつ等小分けでも可。
【指導】元実業団監督・衣笠明宏
(2012年4~7月号)
【土台づくり】
心身の器を広げる
30
㎞走×2回(4~3カ月前)
目的:脚筋力の土台を作る。2回行うことで心身に揺さぶりをかけ器を広げる。
やり方:1回目と2回目の間隔は2週間空ける。月間走行距離150㎞未満の人は1回目3時間LSD、2回目30㎞で実施
【走り込み・スタミナ強化①】
残り10㎞を頑張る
40
㎞走(3~2カ月前)
目的:30㎞以降の10㎞をポジティブに走り切ることで、「快」な精神状態をクセにする。
やり方:30㎞まで楽に走り、残り10㎞から頑張る。気分よく走り切れ「次は40㎞以上でも行ける」と自信を持てたら大成功。
【走り込み・スタミナ強化②】
ポジティブ思考を維持する
50
㎞走(1カ月前まで)
目的:確実に走り切って身体を作る。ポジティブ思考を維持し続ける練習。
やり方:レース6~4週間前までに実施。河川敷や公園など2~3㎞の距離で往復するのがお勧め。練習会や大会に参加するのもよい。
【エクササイズ・筋トレ】
コンディショニングに効果大
青竹踏み
目的:足底筋をほぐし、疲労を除去。足裏のツボを刺激し内臓の調子を整える。
やり方:青竹の上に土踏まずを乗せ、体重をかけながら前後に動かす。1カ月前から毎日行う。
【指導】元100㎞世界選手権代表・能城秀雄
(2015年4月~8月号)
【土台づくり】
週末ごとにロング走を
1
時間プラス(2時間→3時間→4時間)
目的:徐々に距離を延ばし、脚力と集中力を養う。
やり方:1週間ごとに週末の距離走を1時間延ばす。ケガ防止のため、一度に2時間延ばさない。歩いたり補給をしてもよいので設定した時間は必ず路上で過ごす。
【走り込み・スタミナ強化①】
走りと歩きを繰り返す
5
時間走(3~2カ月前)
目的:未体験の長丁場のレースで必要とされる脚力と集中力の土台を形成する。
やり方:1時間走って15分歩くことを繰り返す。ペースはフルマラソンの時よりも1分~1分半遅く設定する。
【走り込み・スタミナ強化②】
ワンウェイコースでの
50
㎞走(2~1カ月前)
目的:未知の世界を体感し、身体にどのような変化が起こるのかを感じとる。
やり方:多くの100㎞レースと似た状況を作り出すためワンウェイコースで行う。ペースは5時間走の時と同じ。
【エクササイズ・筋トレ】
正しい姿勢を意識する
壁を使ったセルフチェック
目的:10時間以上走り続けるためのフォームは姿勢の維持が不可欠。正しい姿勢を確認する。
やり方:後頭部、肩、肩甲骨、お尻を壁につけ、正しい姿勢であることを確認してから走る。
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