ランニングシューズ最前線

2016年3月01日
ランナーにとって、最も重要なアイテムといえる「シューズ」。 この連載では、ランニングシューズのマーケティング調査に10年以上携わり、ランナーでもある矢野経済研究所・野島さんが、“注目のシューズ”や“専門店で売れているシューズトップ10”について解説。  「ランナー」と「アナリスト」の両目線から、ちょっとだけマニアックなシューズトークを繰り広げます。

今月、注目のシューズ

アシックスから
ファンランナー向けシューズが登場!

フューゼックス(fuzex) 
価格: 10,000円~12,800円(税抜き)
Men’s: 24.5~29.0cm
Women’s: 22.5~26.0cm

アシックス(asics)から、ファンランナー向けのシューズ「フューゼックス(fuzeX)」が2月25日に発売されました。『タイムにこだわらず「ファンラン」を楽しむランナーに向けて開発された』ものです。

以前、ナチュラルランニングというコンセプトで「サーティースリー」というモデルがありました。自然な足の動きを導き出すというランニングシューズで、自宅近くの公園などを軽くジョギングするファンランナー向けに差し込んだモデルです。ライフスタイルとしてもスニーカー感覚で着用できる風合いに仕上げたモデルで、新規ファンランナーの開拓に一役買いました。
今回のフューゼックスは、ナチュラルランニングとは異なりますが、サーティースリーに近い役割を担ったシューズではないでしょうか。サーティースリーもそうでしたが、東京マラソン前になると新規ファンランナーをターゲットとしたモデルが発売されるんです。
フューゼックスは、ミッドソールにフューズゲル(fuzeGEL)という新素材を搭載したことで、セーフティ性を高めており、新規ファンランナーでも安心して着用してもらえる設計になっています。

さらに注目したいのは、足を守るクッション性だけでなく、『反発性を両立』と謳っている点。比較的走力の高いランナーが求める「反発性」を実現し、次の一歩をスムーズに出せる足運びのよさがあるのだと思います。街履きできるスニーカーのようなデザインと、ストレスなく走れる設計。となると「通勤ラン用」という使い方ができるシューズとして注目できるのではないでしょうか?


ランニング専門店で売れているシューズベスト10

矢野経済研究所が集計している膨大なデータの中から、ランナーの関心が最も高い「ランニング専門店」でのリアルな販売データを公開。あなたのシューズはランキングに入っている?

順位 モデル名(メーカー名) 売上足数
1 GT2000ニューヨーク4
(アシックス)
5,594 GT2000ニューヨーク4(アシックス)
2 ターサージール4
(アシックス)
5,286 ターサージール4(アシックス)
3 ズームスピードライバル+4
(ナイキ)
3,761 ズームスピードライバル+4(ナイキ)
4 ウエーブエンペラー
(ミズノ)
2,293 ウエーブエンペラー(ミズノ)
5 ゲルフェザーグライド3
(アシックス)
1,796 ゲルフェザーグライド3(アシックス)
6 エアズームエリート8
(ナイキ)
1,674 エアズームエリート8(ナイキ)
7 エアズームフライ2
(ナイキ)
1,089 エアズームフライ2(ナイキ)
8 GT-1000 4
(アシックス)
875 GT-1000 4(アシックス)
9 アディゼロジャパンブースト2
(アディダス)
848 アディゼロジャパンブースト2(アディダス)
10 ウエーブライダー19
(ミズノ)
742 ウエーブライダー19(ミズノ)

集計ルール:
(1)全国にあるランニング専門店195店舗のPOS販売データを集計
(2)30%OFF以上の特価商品は除外
(3)スリム、ワイド、レディースなどは同一モデルとして集計
※「ランニング専門店」は、スポーツ量販店・ショッピングセンター・デパートなどを除くランニング用品を取り扱うショップを指す。
※12月1日~12月31日集計分

野島さんの目

12月も引き続き「GT2000ニューヨーク」の売れ行きがよいですね。従来、エントリー層は少し暖かくなった春先から本格的にランニングをはじめる傾向があるのですが、2015年は暖冬のせいか12月から初心者向けのランニングギアを買い集める動きが目立ったそうです。12月のGT2000ニューヨークも、こうした新規顧客の需要を囲い込んだと言えるでしょう。
さらに注目したいのは、ミズノの新モデル「エンペラー」が早速ランキングに登場してきた点。走力の高い競技者たちに人気だった「スペーサー」シリーズの後継モデル「エンペラー」が、コアなファンを獲得して人気の高いシリーズとなるかどうか、今後の動向は注目に値します。

協力/(株)矢野経済研究所

野島国夫さん

(株)矢野経済研究所 ファッション・スポーツ&リテールユニット 上級研究員
野島国夫さん(41歳)

1974年、神奈川県生まれ。スポーツシューズのマーケティング調査を10年前から担当。各メーカーの展示会やスポーツショップにも足しげく通い、あらゆる情報収集に日夜励んでいる。
3年前から仕事のアウトプット精度向上を目的に走り始め、すっかりランニングの虜に。年3~4回の頻度でレースにエントリーし、フルベストは2015年の横浜マラソンでマークした3時間50分49秒。月間走行距離は180~200kmでサブ3.5が当面の目標。
現在、スポーツシューズの市場調査に従事するなかで、ランニングの経験がおおいに役立っているという。

詳しい野島さんのランナー歴はこちらから
走って変わった! 先輩ランナーのメッセージ

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