|
フルマラソン自己ベスト2時間6分の平林清澄選手(ロジスティード所属)と94時間で630km走破したバックヤードウルトラ※ランナーの水野倫太郎選手がトークショーを実施。速さを極めるランナーと、長さを極めるランナー。それぞれの頭と心の中には、何があるのでしょうか。(5月9日「春のタヌキ祭りSpring TANNUKI Fes 2026」でのトークショーを元に編集部にて構成)
※バックヤードウルトラとは1時間以内に約6.7kmの周回コースを走り終え、それを最後の1人になるまで延々と繰り返す過酷な耐久レース。ランナーズONLINEでは、水野倫太郎さんがバックヤードウルトラの魅力について綴る連載を掲載中です。
司会:フルマラソンを走る時のメンタルとバックヤードウルトラに向き合うメンタルは少し違うような気がします。メンタルの持ち方についてはどうですか。
平林選手:私は42.195kmというフィニッシュがある種目なので、目標は立てやすいです。2時間6分で走るなら、キロ2分59秒とペースを計算できます。ただし、目標が明確であるがゆえに、記録を出したいという欲求が強すぎると、身体が緊張し本来の力が出せなくなります。プレッシャーと向き合わなければなりません。私はレース3日前くらいから「スタートしたらゴールするだけ」と、意図的に自分の期待値を引き下げ目標への気負いをなくすようにしています。
司会: 市民ランナーもサブスリー、サブフォーという目標を目指すレースでは自分にプレッシャーをかけて緊張します。
水野選手: ハードルを下げるという感覚、よくわかります。私の場合は平林選手よりさらに極端で、「とにかくスタートラインに立てればいい」というところまで心理的なハードルを下げています。バックヤードウルトラは練習の負荷が高く非常に過酷なので、レース前に怪我や体調不良でスタートできないこともよくあります。スタートラインに立てた時点で「身体は大丈夫だ、あとはできるだけ走ろう」という気持ちになれます。そこから先は「ジャスト・ワン・モア・ループ」という言葉を心のよりどころにしています。
司会:「ジャスト・ワン・モア・ループ」とはどういう意味ですか。
水野選手: バックヤードの1周の単位を「ループ」といい「もう1周だけ」という意味で、精神を象徴とする英語の格言にもなっています。がんばろうと先のループを考えると気持ちが重くなってしまうので、目の前の1周だけに集中する。その1周の中で他の選手と会話を楽しんだりして、楽しい気持ちを作る。(960km走った時も)ハードルを下げることで気づいたら80ループ(530km)90ループ(603km)だったという状態でした。
司会:マラソンとも共通する部分がありますね。
平林選手:私の場合は「残り半分」みたいなことを考えてしまうので水野選手の「目の前だけに集中する」というマインドセットは、すごく参考になります。
********
トークショーの行われた会場では、全国からロードやトレイル、アウトドアなどの出展に加え、グループランや親子レースなどが実施。「走る世界」の多彩なトレンドが発信されていました。
|
※こちらから記事検索ができます。

ランナーズ7月号 5月21日発売!
ロンドンで人類初の2時間切りが誕生!
「驚異的ペースアップの裏側」
4月26日に開催されたロンドンマラソンで、ケニアのセバスチャン・サウェ選手が1時間59分30秒をマークし人類初のフルマラソン2時間切りを達成しました。この記録が実現した背景について、筑波大学の鍋倉賢治先生が科学的見地から分析。今後の記録更新に向けての注目点についても言及しています。また瀬古利彦さん、藤原新さん、吉田響選手ら識者もコメントを寄せました。
第22回全日本マラソンランキング
2025年4月から2026年3月の1年間、日本国内で開催されたフルマラソンの各種データをまとめた「全日本マラソンランキング」。対象大会数は108大会で過去最多でした(前年度92大会)。メインのコンテンツの「フルマラソン1歳刻みランキング」は各年齢上位100位を掲載。本誌に掲載の、ランキングで誕生した記録やストーリーをピックアップする「偉大な記録からほんわかストーリーまで 全日本マラソンランキングトピックス×18」特集も合わせてお読みください。
週一スピード走は月間走行距離100km増と同効果!
& プレイバックRUNNERS Since1976「継続できるスピード走」
今年、ボストンマラソンの参加者(2022年)を対象にしたトレーニング調査の結果が報告されました。それは「レース記録は、走行距離に加え “スピード練習の回数” と強く関連している」というもの。この研究を踏まえて、兵庫県立大学の森寿仁先生が春先からスピード走を実践することの有効性を解説します。
本誌購入は年会費7,800円「ランナーズ+メンバーズ」がお勧め!
「ランナーズ+メンバーズ」は毎月最新号が自宅に届く(定期購読)だけでなく、「デジタルで最新号&2011年1月号以降が読み放題」「TATTAサタデーランが年間走り放題」「会員限定動画&コラム閲覧可」のサブスクリプションサービス! 年会費7,800円の超お得なプランです。
※こちらから記事検索ができます。