本誌1981年7月号より
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今年、2022年のボストンマラソン参加者約900人を対象とした過去1年間のトレーニング内容に関する大規模調査結果が報告されました。それは「レース記録は、走行距離に加え〝スピード練習の回数〟と強く関連している」というもの。ボストンマラソンというと、エントリーするためには、男性45~49歳・3時間15分、女性50~54歳・3時間50分など主催者が定める年代別・性別の資格基準をクリアする必要がある大会。記録向上を目指すランナーはやはりスピード走を実施しており、スピード走は、やはりマラソンに有効だったのです。
スピード走として最もポピュラーともいえるのがインターバル走。そのインターバル走を世に広めた人として知られ「人間機関車」の異名をとるのが、チェコスロバキアが生んだ伝説の長距離ランナー、エミール・ザトペック氏。1952年のヘルシンキ五輪でマラソン、1万m、5000mの3種目で金メダルを獲得したザトペック氏が1981年に本誌のインタビューに応じ自身のインターバル走について語っています。その一部を抜粋して紹介します。
「繰り返すだけでは復習しかしないのと同じ。
予習、それはスピードトレーニングでした」
私が初めて大会に出場したのは1941年、19歳の時です。これは正式の選手ではなかったのですが1500mに出て4分20秒3、2位でした。この結果が良かったためか、陸連の人が勧めてくれて翌年、正式に登録し、走り始めたわけです。トレーナーもついてくれて、走る前には体操をしなさいとか、これだけ練習しなさいとか教えてくれました。ところが、ここでは5000mを一生懸命走り、それを繰返す、こればかりでした。しかし私には面白くない。確かにある程度の効果はあると思いますが、私には興味がもてず、やる気も失われてきました。
私は考えたわけです。繰返すだけでは復習しかしないことと同じだと。予習、すなわち新しいことを習わなければ進歩がない。そこで予習とは何だろうと思った時わかったのがスピードです。長い距離を速く走るためには、100mでもスピードを出して走ってみる必要があると思ったわけです。そこで、私はトレーナーなしで一人でスピード練習を始めました。
まず100mの直線のあるところを選び、直線を全力で走ったあと、スピードを落としてゆっくり走り、また100mを全力で走るという方法で10本とか行いました。まわりからは、あいつは頭に来たようだなんて言われてかなり抵抗はあったんですが、私は私の方法を主張しました。100mの次は200mという風に。そうしている時に、パーボ・ヌルミという選手の書いた本で、1時間に400mを4回走る練習をしてレコードが出たとあったので、私は1時間に6回やってみようと練習したわけです。かなりいいレコードが出ました。
私は、戦争が終わると軍隊に入りました。というのも、スポーツをやっているものには有利で、時間がたくさんとれるからです。
教練が終わるとすぐに森に行きました。そこは250mくらいの真っ直ぐな道と、その先に400mくらいの道があるんです。そこで私は250mを20回、400mを20回練習しました。きつかったですよ、とても。森は地面が割合柔らかですから、これができるのです。
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明日21日発売のランナーズ7月号「プレイバックRUNNERS Since1976」では本誌が50年で伝えてきたスピード走を紹介。ザトペック氏のほか、過去本誌に掲載した名ランナーたちのスピード走理論は今も役立つ内容です。
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