チアゾーンで上司や同僚たちに励まされる土田さん
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3月1日の東京マラソンで、マラソン100回完走を果たしたアボットジャパン勤務の土田貴彦さん(59歳)。がんを克服して走り始め、88回サブスリーを果たこれまでの歩みをライターの吉田誠一さんがインタビューしました。
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胃がんを克服し、40代から走り続けてきた土田貴彦さん(59歳、アボットジャパン合同会社勤務)が3月1日の東京マラソンで100回目のフルマラソン完走を果たした。「せっかくだから100回目で自己記録更新をと思っていたけれど、2月に体調を崩したのが響いて、ペースが上がらなかった。とにかく、走り切れて良かった」と安堵した。
土田さんは33歳で胃がんと告知され、手術で胃の4分の3を切除した。食べたものが一気に小腸に流れ込んで栄養素が急速に吸収されるため、血糖値が急上昇に続いてインスリンの働きで急降下するダンピング症候群を起こす。だから食事を小分けして1日5回にする。40歳で糖尿病予備軍と診断されたのを機に42歳の08年から走り始め、11年の石垣島で初マラソン(3時間21分23秒)を経験した。コロナ後の22年からは年に8、10、9、8本のフルマラソンを重ねてきた。
初挑戦から15年。今年の3月24日が60歳の誕生日のため、「還暦までに100回完走を」と考えるようになった。勤務する大手ヘルスケア企業アボット(アメリカ)がアボット・ワールドマラソンメジャーズ(AWMM)のタイトルスポンサーであることから、「AWMMのレースで100回目を」と定め、昨秋以降は東京から逆算して大会をエントリーしてきた。
ヘルスケア企業のアボットは東京を含む全7つのAWMMを全社を挙げてのイベントと位置づけ、ランニングによって健康の大切さを体現している社員ランナーを支援する。日本では毎年約80人の社員のチャリティー枠を確保して参加費を援助し、当日はレース前後の専用レストスペースを設けて食事、マッサージ、荷物預かり等の厚いサポートを施す。今回は海外からの参加を合わせて121人のアボット社員が出場した。
39㎞地点にはチアゾーンとしてレストランを借り切り、300人の社員と家族がランナーに熱い声援を送った。土田さんの上司・同僚は手作りした「土田さん100回完走!ゴールはすぐそこ!」というプラカードを掲げた。その後押しを受けた土田さんは「かなりペースダウンしていたけれど、みなさんに励まされ、最後まで走り切ろうと、それだけを考えて走った」という。奮闘の末、3時間28分30秒で節目のレースを終えた。
記念のプラカードを手に
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15年を振り返り、特筆すべきは途中棄権が1度もないこと。低体温症を起こして救護室で1時間以上、休んだ13年かすみがうらも完走した。しかも、100回のうち88回がサブスリーというハイレベル。13年京都で出した2時間44分56秒の自己ベストを筆頭に2時間50分切りの「サブエガ」を26回も記録している。
雨の日以外は走り、月間走行距離は350㎞前後になる。「一番のモチベーションになっている」のは全日本マラソンランキング。22年シーズンから7位、8位、8位と続き、さらに上位をうかがう。3月15日のかがわマラソンを経て、5月の黒部名水で60代初のフルマラソンに臨む。「ここまでのめり込むと、もうやめられない。60代でどこまでサブスリーを続けられるか、そこに挑戦していきたい」と今後の抱負を語っている。
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