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2025ニューヨーク・シティマラソン最高齢完走者は日本の91歳、北畑耕一さん「本当に楽しかった」

2025年11月14日
11月2日のニューヨーク・シティマラソンを91歳で完走し最高齢完走者となった北畑耕一さん

11月2日に開催されたワールドマラソンメジャーズのひとつ、ニューヨーク・シティマラソン。今年の最高齢完走者はレース時91歳、日本の北畑耕一さんでした(レース翌日が92歳の誕生日)。

北畑さんは70歳で退職後、74歳で走り始めました。ニューヨークは商社マン時代に駐在経験がある街。80歳だった2014年に初めてニューヨーク・シティマラソンを走り(年代別80歳以上1位)、85歳だった2018年、2回目のニューヨークで最高齢完走者に。今回91歳で3回目のニューヨーク・シティマラソンに挑み、7時間25分13秒で完走。北畑さんに手記を綴っていただきました。


「3回目のニューヨーク・シティマラソンを走って」

セントラルパークの紅葉(北畑さん撮影)

ハロウィンが終わり、セントラル・パークの紅葉が見頃を迎える11月の第1日曜日――毎年恒例のニューヨーク・シティマラソンが開催される。
今年もまた苦労の末に、なんとか完走することができた。

夏の猛暑のため距離を十分に走れず、練習は週2回・月50キロほどにとどまった。その分、毎朝、食事前にラジオ体操・筋トレ・ストレッチを欠かさず30分以上続けた。
「これでダメなら仕方ない」と開き直って臨んだ大会だった。

快晴・無風、暑くも寒くもない、まさに理想的なマラソン日和。沿道の観客は今年も熱狂的で、見ず知らずの外国人にも大声で応援を送ってくれる。本当にありがたい。
15キロ付近で、珍しく胃液が逆流して気分が悪くなったが、いつも携帯している特効薬を飲み、しばらく歩いて回復を待った。

ブルックリンとクイーンズの境界を過ぎ、中間点を越えると、クイーンズボローブリッジへ向かう長い上り坂が待っている。ここは無理せず歩いて我慢。
橋の上は観客がいない静寂の空間。遠くにマンハッタンの高層ビル群がくっきりと見える。国連ビルのそば、80年代に駐在していた頃のアパート付近も目に入る。橋は24キロ地点――ここでいったん気持ちをリセットし、いよいよマンハッタン1番街へ。

ここから8キロは上り坂が続く。40年前、家内とよく散歩した懐かしい通りだ。上り坂のことは考えず、ただ昔を思い出しながら走る。両側を埋め尽くす観客の声援が背中を押してくれる。
大勢の観客の中に日の丸を見つける。ニューヨーク在住のTさん夫妻の応援に勇気を貰う。
北端のブロンクス区では約3キロを歩き、やがて5番街へ。脳裏に流れるのは、ペドロ&カプリシャスの「五番街のマリーへ」。都倉俊一の軽快なメロディーがリズムを刻む。

セントラル・パークに入ると、メトロポリタン美術館、グッゲンハイム、フリック・コレクションなど、かつて何度も訪れた懐かしい場所が並ぶ。土地勘のあるエリアだ。
59丁目のプラザホテルで右折する。このあたりで思い出すのは、駐在時代に発表された「プラザ合意」。円高が一気に進んだあの頃のことだ。
さらに300メートルほど走り、再びセントラル・パークに戻ると、すぐにゴールが見えてくる。

走り終えた今、苦しかったことは不思議と記憶に残っていない。ただ、「本当に楽しかった」という実感だけが残っている。

今回、最高齢参加者として事前にニューヨーク・タイムズの記事にも掲載されていた北畑さん。
完走後、警官から記念撮影を頼まれ撮影した一枚



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